症例紹介(消化管内異物)

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2017/04/06

こんにちは。院長の小濱です。

今回紹介するのはちょうど1歳の雑種猫。
いたずら盛りの男の子です。

前日の夜から突然の嘔吐。
20回以上繰り返し、ぐったりしているということで来院されました。

お話を伺うと、数日前の吐物にヘアゴムを発見したとのこと。以前には便の中にヘアゴムが出てきたこともあるそうです。

若くて栄養状態も良好な猫が突然の頻回嘔吐。
しかも前歴(前科?)ありなので、おおよその予測をつけて各種検査を行いました。

単純撮影のレントゲン写真です。
円の中にうっすら浮かぶ怪しい影がわかるでしょうか?



こちらは念のため行った消化管造影検査中の1枚です。
いよいよはっきりと小腸内のひも状の異物が見えてきました。
小腸の一部はガスと液体貯留が目立ってきています。

 

レオンちゃんは血液所見こそ問題ありませんでしたが、嘔吐頻度、超音波での液体貯留所見、レントゲンでの消化管拡張とガス貯留から、早い段階での開腹が望まれましたが、飼主様の意向もあり一晩、造影検査の結果を待って最終判断になりました。



そして一晩入院していただき、翌朝レントゲン撮影。

一晩経っても造影剤は胃の中で全く消化管の内容物が動いていません。
急がなければ更なる状態の悪化が予想されます。

 

しかし・・・よく見ると異物の位置が昨晩と微妙に変わっています。

さらに小腸の拡張も改善しています。

何よりレオンちゃん、昨晩より少し元気なのです。

 

しかし造影剤が流れないことには安心できないの、多少リスクはありますが、浣腸をさせていただきました。



20分後には便と一緒に出てきました。

4種類のバリエーション付きです。

異物が取れたとたん、一気に造影剤は小腸を流れていきました。

写真ではわかりずらいですが、かなりのボリュームです。
猫の小腸の太さは大人の小指ほどですから、奇跡的と思っていいと思います。

出てよかった・・・なのですが、場合によっては相当の消化管のダメージも予想されます。

数日間は症状に注意が必要でしょう。

 

今回はある程度の太さがあり、うまく絡まって一塊になってくれたことで、吐き気は強かったようですが運よく流れ出たものと思います。

多くの場合、猫のひも状異物は消化管が目も当てられないほどボロボロになるケースがあります。

 

今回のようなヘアゴムやひも、ビニール袋などなど猫ちゃんのハンター心をくすぐるおもちゃは家の中にたくさんあります。

 

いずれも消化管異物として代表的なものですが、決して美味しくいただいたわけではありません。
猫の独特なざらざらとした舌の表面がこれら異物をうまく引っ掛けてしまい、不可抗力で飲み込んでしまうのです。

 

本人にしたら「取ろうとしてクチャクチャやってたら飲んじゃった・・・」というところでしょう。

 

市販の猫用おもちゃもほったらかしにしないでください。
多くのおもちゃは腸閉塞の要素満載です。
遊ばない時は片づける。
ひもやビニールでよく遊ぶ子は、見ていない時はしっかり片づけてください。

厳しいかもしれませんが、猫の室内での異物摂取の多くは飼主さん自身の不注意と考えてください。

 

今回、レオンちゃんもよく耐えました。
飼主さんもほっとされたようですが、それ以上に不安な一晩を過ごされたと思います。
と同時にずいぶん反省されてましたね(笑)

 

皆さんも十分気を付けてくださいね。


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