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2017/04/21
春に増える病気、風邪?花粉症?それとも別の病気?
こんにちは。ふじた医院の藤田博崇です。
熱やだるさ、のどの痛み、鼻水、くしゃみ、咳。
このような症状がでたら「風邪かな」とお感じになることが多いと思います。
春になりますと、冬に流行ったインフルエンザは徐々に減ってきますが、今度は風邪なのか、花粉症なのか、それ以外なのか、
判断に迷うことが多いのではないでしょうか?
今回はそのような春~夏にかけての時期の「風邪っぽい症状」について、この時期に増えてくる病気を整理しつつ、どのような対処をすればよいか、ご説明していきたいと思います。
インフルエンザ
インフルエンザは例年12~1月頃をピークとして徐々に減少していきますが、4月頃までは
ある程度の発生を見る年も多く(国立感染症研究所週報グラフ(インフルエンザ)より)、近年ではそれ以降も散発的発生もあり、春だからといって油断はできません。
38度以上の高熱や体のだるさ(倦怠感)、体の節々の痛みがあり鼻水やのどの痛み、咳などの症状がいろいろな程度で加わっているのであれば、インフルエンザの可能性があります。
数日内に身近にインフルエンザと診断された人がいた場合は症状が軽くても、インフルエンザを疑ってみることも必要です。
インフルエンザかどうかは、医師の診察やそれに引き続いてのインフルエンザ迅速検査などで診断します。お近くの内科や耳鼻科、かかりつけの先生にご相談ください。
春(と秋)に多くなる鼻かぜ:
ライノウイルス
ライノウイルスは風邪症候群の原因の半分以上を占めるといわれており、鼻水と熱、だるさを主症状とします。
春と秋に流行り、春は3月から5月頃までが多いといわれています。通常軽い症状で自然に治ります。またライノウイルスに有効な抗ウイルス薬や予防に有効なワクチンは今のところありません。
時にこじらせて長引いてしまうと、細菌性副鼻腔炎や中耳炎、後鼻漏症候群の原因となることもあります(感染症ジャーナル2007年(英語)より)。
喘息をお持ちの方は喘息症状が悪化する原因になることがありますので注意が必要です。
この時期に鼻水と軽いだるさ症状やのどの痛み、咳が出てきたとき、症状が軽いからと油断せずに、睡眠時間の確保や過労に注意するなど、体調管理に努めてください。症状は花粉症と区別がつきにくいかもしれません。症状が長引いたときは医師の診察を受けてください。
のどの痛みと発熱:溶連菌感染症、アデノウイルス感染症、EBウイルス感染症
いずれも、のどの痛みと発熱(しばしば38度以上の高熱)、体の節々の痛みなどを伴う症状がある感染症です。
溶連菌感染症
溶連菌感染症は1年中みられますが、冬~春と夏場にかけて流行する年があります(国立感染症研究所週報グラフ(溶連菌咽頭炎)より)。
小児に多い病気ですが、大人もかかります。
小児では赤い細かい発疹が全身に出る猩紅熱(しょうこうねつ)と呼ばれる状態になることもあります。
溶連菌が原因であるという診断は、鼻水や咳があまり目立たず、のどの痛みと高熱が主となる場合に可能性が高まります。迅速検査キットもありますが、普段から溶連菌がのどにいる人(健常保菌者)も10~15%いるので総合的な判断が必要です。
不完全な治療をすると、かかった後に1~2週してリウマチ熱という合併症が起こることがあるため、その予防のために抗生物質による治療が10日間必要といわれています。抗生物質を飲む前の診断が重要ですので、高熱とのどの痛みの際には1~2日対症療法で様子を見ても改善しないようならば医療機関を受診することをお勧めします。
アデノウイルス感染症、EBウイルス感染症
溶連菌と似たような発熱とのどの痛みの症状をきたすものに、アデノウイルスによる咽頭扁桃炎(夏に流行、小児に多い)、EBウイルスによる咽頭炎症状(青年期に多く、伝染性単核球症と呼ばれます)があります。
どちらもウイルスですので対症療法が主となりますが、長引く熱やだるさが出ることがあり、また溶連菌だとおもって同じ抗生物質で治療すると副作用が出やすい場合があるなど、いろいろなチェックポイントがあります。くりかえしにはなりますが、対症療法で治らない熱とのどの痛み症状の場合には(適当に余った抗生物質を飲んだりせず)医療機関を受診してください。
目やに、充血、熱とだるさが続く:アデノウイルスによる咽頭結膜熱
咽頭結膜熱は一般的にプール熱呼ばれている、アデノウイルスによる感染症です。アデノウイルスにはたくさんの種類(血清型)があり、前項記載の咽頭扁桃炎以外にいろいろな病気の原因になります。
1年中ありますが、4月頃から徐々に増えはじめ、8月くらいまで流行する感染症です。咽頭結膜熱はのどの腫れと痛み、高熱に加えて目の充血、目やになどの目の症状が加わるものです。熱や目の症状は4~5日続きます。プールに限らず、涙、目やに、手、便を介して人から人へ移りやすいので正確な診断が必要です。学校は医師の指示に従いお休みする必要があります。大人も注意が必要です。
発熱と発疹:風疹、麻疹
風疹
風疹は風疹に対する免疫のない人にはうつり易く、妊娠初期の女性がかかると赤ちゃんに先天性風疹症候群という先天性の異常が出るため、特に注意すべき感染症です。今までに風疹ワクチンを受けていない場合や実際に風疹にかかったことがない場合は子供でも大人でもかかります。症状が軽いこともあり、注意が必要です。
将来妊娠の可能性がある女性やその周囲の方には是非事前にワクチンで予防していただきたい感染症です。
風疹は春に流行する傾向があります。典型的な経過は発熱、発疹(顔面から始まり全身に広がる)とともに首の後ろのリンパ節の腫れが見られることが多いです。1~数日前から頭痛や倦怠感、発熱などがある場合もあります。多くは発疹が出て3~5日程度で改善します(このことから三日ばしかと呼ばれます。)しかし、大人になってから罹ると長引くケースがあり、1週間くらい熱が続くこともあります。
麻疹
麻疹(はしか)も春から夏にかけて流行が見られます。高熱が数日続き、下がったと思ったらまた熱がでて発疹も出る、という経過をとります。発熱の初期に病院にかかった場合は、何かわからない発熱として対症療法となることもありますので、その後発疹が出てきた場合、過去にかかったことがない方、ワクチンを打ってない方は麻疹に注意が必要です。
麻疹は免疫力がない人には非常にうつり易いため、この点にも注意が必要です。まだワクチンを打てない1歳未満のお子さんに接することが多い方で麻疹の免疫があるか不明な方は是非
ワクチン接種をお勧めします。
麻疹、風疹かもしれないと思ったときは事前に連絡してから医療機関にかかることをお勧めします。
2月末~5月頃、鼻水、くしゃみ、目のかゆみが長引く:花粉症
アレルギー、花粉症のきほん
春に多い病気としての代表選手、花粉症にやっとたどり着きました。いままでご説明してきたいろいろな病気は病原体によってもたらされる感染症でしたが、花粉症はご存知のようにアレルギーによっておこる病気です。
アレルギーとは、本来は害のない物質を異物と認識してしまい、それに対して免疫力が働いてしまうために慢性的(あるいは季節性)にいろいろな反応が起こる状態をいいます(米国アレルギー・免疫・喘息学会(AAAAI)によるアレルギーの説明(英語)より)。異物と認識されてしまった原因物質はアレルゲンと呼ばれます。
花粉がアレルゲンとなって起こる症状を花粉症といいます。
日本における有病率は増加しており、2008年の日本全国の耳鼻咽喉科医とその家族を対象とした疫学データでは花粉症全体で29.8%、スギ花粉症は26.5%でした。スギ花粉が多く飛ぶ時期は主に春ですが、地方により若干差がありますのでお住いの地域の情報を参照してください。関東圏では2月から4月いっぱいくらいまでがピークとなります。同じく春の花粉症の原因であるヒノキは5月初めくらいまでですので、ヒノキのアレルギーもある方はゴールデンウィーク明けくらいまで症状が続くとお考えください。
風邪との違い
症状は鼻水、くしゃみ、目のかゆみ、涙などが主で、このうち一部だけの方もいます。時にのどの痛みやかゆみ等を感じる方がいます。これまでご説明してきた感染症と共通する症状も多いと思いますが、一番の違いは長引くということです。
また感染症のような発熱は通常見られず、だるさはあっても軽いか、通常見られません。1~2週間以上にわたって多少の波があるにしても、上記のような症状が続くならば花粉症を疑ってください。例年同じ時期、特に春に症状が出るならばより可能性が高いです。
夏や秋にも花粉症の原因となる花粉があり、夏ならばカモガヤ、ハルガヤ、秋にはブタクサが有名です。やはり同じような症状が出ます。
花粉症かな?と思ったら…
花粉症に今までなったことがない人も、ある時急に発症することがあります。その場合は、はじめは風邪と区別がつかないと思います。特に鼻水がメインの場合はライノウイルスによる鼻風邪と似ているでしょう。
そのようなときに最初風邪と同じ治療をしても、特に問題はありません。鼻水を止める成分も入っており、一時的に症状を和らげる効果があると思います。ただ、長引くので、それに対し風邪薬を飲み続けると、本来必要のない成分も取り続けることになり、害がある場合もあります。
花粉症かな、と思ったら一度は医師の診察を受けましょう。診察と、花粉などのアレルゲンに対する抗体検査をして診断することができます。原因となる花粉が飛散する季節が前もってわかり、それに備えることができます。花粉症に最適な薬で治療することができます。
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