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2018/07/02
こんにちは。ふじた医院の藤田博崇です。
転んで膝を擦りむいてしまったり、ちょっとはさみで指を切ってしまったり…日常生活の中で、ちょっとした怪我をすることってよくありますよね。
いちいち病院に行くほどの怪我ではない場合、自分で処置をすることがほとんどだと思います。
でも、正しい処置の仕方をご存知ですか?
そもそも、傷が治るメカニズムを知っていますか?
軽い怪我を特に処置もせずに放っておいたらいつの間にか治っていた、という経験はありませんか?
人間はもともと、自己治癒力を持っています。
怪我をすると、自らその傷を修復しようという働きがおこるのです。
まず、怪我をするとその部分の皮膚が損傷を受け、場合によっては血管も断裂するのでその部分から出血します。
その損傷に反応して血液を固め、止血するのが、血液中に含まれる血小板です。
さらに、血小板はサイトカインという物質を分泌します。
このサイトカインが、血管から白血球やマクロファージといった貪食細胞を含んだ滲出液を分泌させます。
これらの貪食細胞が、傷口の細菌や汚染物質を除去してくれるのです。
更にマクロファージからの細胞成長因子(Growth factor)により線維芽細胞や表皮細胞などの組織細胞が増殖して傷を修復していきます。
傷が治る仕組みが分かったところで、処置の手順を見ていきましょう。
1.傷を観察する
まずは石鹸などを使い、自分の手を清潔に洗います。そして、傷の状態をよく観察しましょう。この時に傷が深い場合や大きい場合は、病院での治療が必要になります。
2.傷口をしっかりと洗浄する
少しの出血であれば、水道水などの流水で十分に洗うことで止血します。傷に砂やゴミがついていると、感染症の原因となる場合があります。傷口の周囲の皮膚も含めて、念入りに洗いましょう。
日本の水は、飲めるほどきれいで、ほとんどばい菌がいないので洗っても大丈夫です。海外や汚い水ではやめてくださいね!
3.止血する
出血がおさまらない場合、直接圧迫と挙上によって止血を行います。
直接圧迫は、出血している傷口をガーゼやハンカチなどで直接抑え、しばらく圧迫する方法です。
包帯を少しきつめに巻くのも直接圧迫になります。
よく言われるような”傷口より心臓に近いところを巻く”とかえって出血が止まりにくくなることがありますので、注意してください。
圧迫の後は、怪我をした部分を心臓より高い位置に持っていきましょう。
心臓との落差を作り患部の血圧を下げることで、出血を抑えることができます。
4.傷を覆って保護する
止血と洗浄が終わったら適切な創傷被覆材(ドレッシング)を当て、絆創膏や包帯で固定します。
創傷被覆材としては、透明なフィルムや親水ポリマーを主成分とするハイドロコロイド素材のものなど様々な種類のものが市販されています。
傷の種類や程度に応じて様々なものがありますので、自分の傷にあったものを使用すると良いでしょう。
しかし、ここでも注意が必要です。
湿潤環境を保って治療してもいい場合は、ばい菌がいないことが条件です。ばい菌がいると、かえって傷が膿、化膿して大変なことになりますので、湿潤環境を保つ傷の処置をする場合は、必ず専門の外科病院を受診しましょう。
古い昔のお医者さんは、この湿潤環境を保つ傷の処置を知らない先生もいますので注意が必要です。
傷の処置、これってどうなの?
消毒薬は必要?
傷口を洗ってゴミを落とすことは大切ですが、消毒薬を使う必要はありません。消毒薬を使うと確かに一部の細菌を殺すことができますが、消毒薬は傷ついた組織に対しても毒性を持ってしまうのです。そのため、傷口に直接使用してしまうと、かえって傷の治りを悪くしてしまうことがあると考えられています。
絆創膏は必要?
以前は、怪我をしたら滲出液はガーゼ等で拭き取って絆創膏のガーゼに吸い込ませ、傷口を乾かして”かさぶた”を作ることで治すという考え方が主流でした。
しかし現在は、滲出液を保持して傷口をしめったままにした方が良いという湿潤療法(ラップ療法)が主流です。そのため、絆創膏も、従来のものではなく創傷被覆材を使用することが多くなっています。
湿潤療法では、創傷被覆材を使って傷口をぴったりと覆うことで、浸出液の中にある細胞成長因子を十分に生かす事ができ、湿潤環境にすることで細胞増殖も遮られないので”かさぶた”ができず、なめらかな表皮をより早く再生することができるのです。
市販されている創傷被覆材には、キズパワーパッドやカットバンモイスト、ネクストケアなどがあります。これらを使用する時は、使い方の説明書をきちんと確認するようにしましょう。
病院に行くべき怪我は?
以下のような場合は、病院で医師の診断を受けてください。
深い刺し傷や切り傷(特に錆びた釘などを踏んだ場合)
大きな傷
動物のかみ傷
汚染が強い傷
ギザギザした傷(血の巡りが悪い組織が残っている傷)
化膿した傷
出血がなかなか止まらない場合
糖尿病や動脈閉塞症など傷の治りが悪くなるような持病がある場合
副腎皮質ホルモンや免疫抑制剤など免疫力を低下させる薬を飲んでいる場合
最後に
以前であれば傷口は乾かして治すのが定説でしたが、現在は傷口のジュクジュクした滲出液の自然治癒力を最大限に活かすのが主流となっています。
正しい処置を行って、傷痕を残さずきれいに傷を治しましょう。
香川・善通寺で交通事故治療といえば「ふじた医院」
医師:藤田博崇
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