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2025/06/28
香川県高松市のかみあわせ専門歯科医院 吉本歯科医院の吉本彰夫です。
「あらゆる病気は口から入ってくる」とよく言われますが、大袈裟な話ではなく事実です。古代ギリシャの医師ヒポクラテスは、細菌が知られていなかった紀元前400年頃にすでに「歯石を取らないと全身の健康は回復しない」と説き、歯石を除去する道具まで開発していました。医学が進歩した現代、その教えが正しかったことが科学的に証明されつつあります。
中でも注目すべきは「ポルフィロモナス・ジンジバリス菌(Pg菌)」という歯周病菌です。この菌は、歯周病を引き起こすだけでなく、全身の健康に深刻な影響を及ぼす「サイレントキラー」として知られています。今回は、ジンジバリス菌がどのように歯周病を進行させ、全身に影響を与えるのかを徹底解説します。
歯周病は、歯茎や歯を支える骨が炎症を起こし、徐々に破壊されていく病気です。歯周病の原因となるプラーク(歯垢)の中には、数億の細菌が潜んでいます。これらが毒素を出し、歯茎を腫れさせ、骨を溶かし、最終的には歯を失うことに繋がります。痛みがほとんどないまま進行するため「サイレントディジーズ(静かな病気)」と呼ばれ、気づいた時には重症化しているケースも多いのが特徴です。
Pg菌は嫌気性のグラム陰性菌で、酸素を嫌うため歯周ポケットの深い部分に生息します。糖を栄養源にできない代わりに、タンパク質を分解して栄養を得る性質を持ちます。そのため、強力なタンパク分解酵素「ジンジパイン」を分泌します。この酵素は、口臭の原因となる硫化水素を発生させるだけでなく、免疫物質を破壊し、体の防御機能を低下させます。Pg菌は、少量でも周囲の無害な細菌を病原菌に変えてしまう「キーストーン病原体」と呼ばれるほど強力な存在です。また、鉄分を得るために赤血球を分解し、歯周ポケットを深くし、組織破壊を一気に進めます。
認知症
歯周病が進行すると、炎症で開いた血管からPg菌が体内に侵入し、脳にまで達します。これにより、認知症のリスクが大幅に高まることがわかっています。
動脈硬化
心臓を取り巻く動脈の血管内にできるプラークからPg菌が検出されています。Pg菌は白血球の死骸や悪玉コレステロールと絡み合い、血管に張り付きます。これにより血管が狭くなり、動脈硬化が進行します。
脳梗塞・心筋梗塞
血管内プラークが剥がれて血管を詰まらせると、脳梗塞や心筋梗塞を引き起こす恐れがあります。歯周病菌が命に関わる病気の引き金になるとは、多くの方が想像もしていないでしょう。
早産
Pg菌が血流を介して子宮に到達すると、免疫反応を過剰に引き起こし、子宮収縮ホルモンが急増。これにより早産のリスクが上昇します。
糖尿病
Pg菌が生み出す炎症性物質により、血糖値を下げるインスリンの働きが妨げられ、高血糖状態を招きます。つまり、歯周病は糖尿病の原因にも、悪化要因にもなります。
歯周病と聞くと「歯磨きが足りないせい」と思われがちですが、それだけではありません。実は「かみあわせ」も大きく影響しています。かみあわせが悪いと、特定の歯に過剰な力がかかり、その歯の周囲の骨や歯茎が傷つきやすくなります。この状態でPg菌に感染すると、局所的に歯周病が進行し、歯を支える骨が一気に溶けてしまいます。かみあわせを診ずに歯周病を治療しても、根本原因が取り除かれなければ再発リスクが高くなります。
毎日のケアとプロのケアが不可欠
プラーク(デンタルプラーク)は、よく「歯垢」と言われますが、実際は無害なものではなく「細菌の集合体」であり、毒素を出して歯や歯茎を攻撃します。
日々の歯磨きで落としきれない部分は、歯科医院での定期的なクリーニングが必須です。
特に、かみあわせまで診る専門的なチェックは一般的な歯科医院では見落とされがちです。これを見逃すと、どれだけ表面的に歯石を取っても、またすぐに症状がぶり返します。
「私は大丈夫」と思っていても、Pg菌は症状を出さずに静かに進行します。気づいた時には、取り返しのつかない状態になっているケースも珍しくありません。
定期検診とクリーニング、そしてかみあわせの診断。この3つが歯周病治療の鍵です。
「私は歯周病かもしれない…」「最近、口臭が気になる」「歯茎が腫れてきた気がする」「50代以降急に歯並びが崩れてきた」「歯が揺れ出している」
そんな不安を感じたら、今すぐ行動を起こすタイミングです。
香川県高松市のかみあわせ専門 吉本歯科医院では、歯周病の原因菌検査はもちろん、かみあわせを含めた包括的な診断・治療を行っています。
あなたの大切な歯と全身の健康を守るために、ぜひ一度ご相談ください。
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