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2026/04/18

歯の表面に付く汚れには「歯垢(しこう)」(プラーク)と「歯石(しせき)」という全く違う性質のものがあります。歯垢は細菌のかたまりで、毎日の歯磨きで落とせるやわらかい汚れ。一方、歯石はその歯垢が固まって石のようになったもので、歯ブラシでは落とせません。見た目や触った感触にも違いがあり、放置すると歯周病の原因になります。この記事では、歯垢と歯石の違い・見分け方・できてしまう原因、そして正しい対策までわかりやすく解説します。【香川県高松市の咬み合わせ専門 吉本歯科医院】

歯垢と歯石の最も大きな違いは、「自分で除去できるかどうか」です。歯垢(プラーク)は、歯の表面に付着する細菌のかたまりで、毎日の歯磨きによって落とすことが可能です。ただし放置すると、虫歯や歯周病の原因になります。一方、歯石は歯垢が唾液中のカルシウムなどと結びついて硬くなったもので、一度付着すると歯ブラシでは除去できません。歯科医院での専門的なクリーニング(スケーリング)が必要になります。
歯垢と歯石は、見た目や触感でも見分けることができます。歯垢は白っぽく、やわらかくてねばつきがあるのが特徴です。それに対して歯石は、黄白色から茶色っぽい色をしており、硬くて表面がざらざらしています。舌で触ったときにザラつきを感じる場合は、歯石が付着している可能性があります。
歯垢と歯石は、それぞれ異なる形でお口のトラブルを引き起こします。歯垢は細菌の塊であるため、歯ぐきの腫れや出血などの歯肉炎の原因になります。
一方、歯石自体は硬い沈着物ですが、その表面は歯垢が付着しやすい構造になっています。そのため、歯石を放置すると歯周病が進行しやすくなるため注意が必要です。このように、歯垢と歯石は性質も対処法も異なります。正しく見分けることが、歯周病予防の第一歩です。

歯垢(プラーク)は、口腔内の細菌が集まって形成されるバイオフィルムです。この歯垢が長時間歯の表面に残ると、唾液中に含まれるカルシウムやリンなどのミネラル成分と結合し、「石灰化(せっかいか)」を起こします。この石灰化が進行することで、やわらかい歯垢は次第に硬化し、歯石へと変化します。イメージとしては、キッチンや浴室に付着する水あか(カルシウムの沈着)が固まっていく状態に近いものです。石灰化のスピードには個人差がありますが、早い場合は数日〜2週間程度で歯石が形成されることもあります。そのため、毎日のセルフケアで歯垢を残さないことが極めて重要です。

歯石の付着には、日常の習慣や口腔環境が大きく関係しています。
・就寝前の歯磨きが不十分
・口呼吸による口腔内の乾燥
・喫煙習慣(唾液の質の変化・血流低下)
・間食や糖質摂取の頻度が多い
・唾液量が少ない、または質が変化している
これらの要因が重なることで、歯垢が長時間残りやすくなり、結果として歯石の形成リスクが高まります。

歯垢はやわらかいバイオフィルムのため、適切なブラッシングによって除去が可能です。
歯ブラシだけでなく、デンタルフロスや歯間ブラシを併用することで、歯と歯の間の歯垢まで効率よく取り除くことができます。吉本歯科医院院長、吉本彰夫が使用しているフロス


歯石は石灰化して硬くなっているため、歯ブラシでは除去できません。歯科医院では、スケーラーと呼ばれる専用器具や超音波機器を用いて歯石を除去(スケーリング)します。さらに、歯の表面を滑沢に整えることで、歯垢が再付着しにくい状態へと導きます。
市販のスケーラーなどを使って自己処理を試みる方もいますが、これはおすすめできません。無理に歯石を取ろうとすると、歯の表面(エナメル質)を傷つけたり、歯ぐきを傷つけて出血や炎症を起こしたり、見えない部分の歯石を取り残すといったリスクがあります。違和感やざらつきを感じた場合は、無理をせず歯科医院での診断・処置を受けることが安全です。
実際に、「歯石が気になって自分で取っています」という患者さんが来院されたことがあります。鏡で見える前歯の裏側の歯石を、市販の器具を使ってこまめに取っていたそうで、ご本人としては「きれいにできている」という感覚でした。しかし診察してみると、歯の表面には細かい傷がつき、逆に歯垢が付きやすい状態になっていました。さらに、歯ぐきの中(歯周ポケット内)には歯石がしっかり残っており、歯ぐきには炎症と出血も見られました。ご本人は「表面の歯石が取れている=問題ない」と思われていましたが、実際には見えない部分で歯周病が進行していたケースです。このように、自己判断で歯石を取ることで、一時的にきれいになったように見えても、かえって状態を悪化させてしまうことがあります。
歯垢は日々のセルフケアで除去できる汚れですが、歯石になると歯科医院での処置が必要になります。例えるなら、歯垢は「たまったほこり」、歯石は「固着した汚れ」です。毎日のケアの積み重ねが、歯周病や虫歯を防ぐ大きな鍵になります。「まだ大丈夫」と思っているうちに進行するのが、お口のトラブルの怖いところです。
一般的には3〜6ヶ月に1回の定期的なクリーニングが目安とされています。
ただし、歯石が付きやすい方や歯周病のリスクが高い方は、より短い間隔での管理が必要になる場合があります。
歯ぐきの状態によっては、多少の違和感やしみる感じが出ることがあります。
特に歯周病が進行している場合は出血しやすいですが、処置自体は短時間で終わることがほとんどです。必要に応じて痛みに配慮した対応も行われます。
歯石の下に隠れていた歯の表面(象牙質)が露出することで、一時的にしみる症状が出ることがあります。
多くの場合は時間の経過とともに落ち着きますが、気になる場合は歯科医院での相談がおすすめです。
唾液の性質や量、口呼吸、喫煙習慣、歯並びなどが影響すると言われています。
また、歯と歯の間の清掃が不十分な場合も、歯石が付きやすくなります。
歯石の除去は歯周病治療の重要な一歩ですが、それだけで完全に改善するとは限りません。
正しいブラッシング習慣や定期的なメンテナンスを継続することが、再発予防には不可欠です。
歯石取りは保険診療で行われることが多く、自己負担3割の場合、1回あたりおおよそ2,000円〜4,000円程度が目安です。
ただし、歯周病の進行度や検査内容、処置の範囲によって費用は変わることがあります。
PMTC(プロフェッショナル・メカニカル・トゥース・クリーニング)は、専用機器を用いて歯面の汚れや着色、バイオフィルムを徹底的に除去する自由診療のクリーニングです。保険診療の歯石取りが「治療」を目的とするのに対し、PMTCは「予防」や「再発防止」を目的としています。費用は医院によって異なりますが、一般的には5,000円〜15,000円程度が目安です。歯の表面を滑沢に仕上げることで、歯垢や着色が再付着しにくくなるのが特徴です。吉本歯科医院ではPMTCは1回につき11,000円(税込)にて行っております。
歯石取りをしたあとに「歯ぐきが下がった気がする」と感じる方は少なくありません。これは実際に歯ぐきが急激に下がったというよりも、もともと歯石によって覆われていた部分が露出したために、そう感じるケースが多いです。歯石が長期間付着していると、その周囲の歯ぐきは炎症によって腫れた状態になります。
この状態で歯石を除去すると、腫れが引いて本来の引き締まった歯ぐきに戻るため、結果として「歯ぐきが下がったように見える」のです。また、歯周病が進行している場合には、歯を支える骨や歯ぐきがすでに減っていることもあり、歯石除去後にその状態がはっきり見えるようになることもあります。いずれにしても、歯石取りによって歯ぐきが悪くなるわけではなく、むしろ健康な状態に近づいているサインといえます。気になる症状がある場合は、歯科医院で状態を確認することをおすすめします。
歯石取りのあとに「冷たいものがしみる」と感じることがあります。これは異常ではなく、一時的な反応であることがほとんどです。歯石が長期間付着していると、その下の歯の表面(とくに歯の根の部分)が覆われた状態になっています。歯石を除去すると、それまで隠れていた部分が露出し、外からの刺激(冷たい・熱いなど)を感じやすくなるため、しみる症状が出ることがあります。また、歯ぐきの腫れが引くことで歯の根元が見えるようになり、知覚過敏のような状態になることもあります。多くの場合は、時間の経過とともに落ち着いてきますが、症状が強い場合や長く続く場合には、知覚過敏を抑える処置や専用の薬剤で対応することも可能です。気になる場合は、無理に我慢せず歯科医院で相談されることをおすすめします。
歯石取りは歯周病治療の基本ですが、それだけで完全に治るわけではありません。なぜなら、歯周病には大きく2つの原因が関わっているためです。1つは、歯垢(プラーク)に含まれる細菌による炎症です。これは歯石取りや毎日のセルフケアによってコントロールすることが可能です。もう1つは、咬み合わせのバランスの乱れによる「力の問題」です。歯に過剰な力がかかり続けると、歯を支えている骨や歯ぐきにダメージが蓄積し、歯周組織の破壊が進行することがあります。この場合、いくら歯石をきれいに除去しても、原因となる力のコントロールができていなければ、歯周病の改善は難しくなります。そのため、歯周病の治療・予防には・細菌のコントロール(歯垢・歯石の除去)・力のコントロール(咬み合わせの評価・調整)この両方が重要になります。歯石取りはあくまで「原因の一部へのアプローチ」です。本当に歯を守るためには、ご自身の状態に合わせた総合的な管理が必要になります。

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