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2024/05/20
香川県高松市の噛み合わせ専門歯科医院 吉本歯科医院の吉本彰夫です。現在通院されている歯科医院で「骨が溶けてしまっているからインプラントするのは難しい」と言われ入れ歯の提案を受けた50歳の男性がご相談にお越し下さいました。何度も虫歯治療をして既に歯の神経を取っている歯の根っこが折れておりもう抜かないといけないという状態です。まだ50歳とお若いので入れ歯を使うということに強い抵抗がおありになり吉本歯科医院を受診されました。
CT撮影を行い骨の状態を確認するとたしかに骨が溶けており骨が少なくなってはいるのですが骨造成治療を行い十分インプラントを行うことができました。患者さんとお話している時にこんな質問が出たんですね。「吉本先生はかみ合わせの専門ですがインプラント治療と咬み合わせってどんな関係があるんですか?」インプラント治療だけではなくあらゆる歯科治療において最も重要なことはかみ合わせだとお伝えしています。
これはある患者さんの事例です。この方は他医院にて過去にインプラント治療をお受けになられていました。
5年前にインプラント治療を受けた左下とブリッジ治療を受けた左上に違和感を感じる
というご相談でお越しになられたんです。
この方は吉本歯科医院に来院される前に別の先生にも診てもらっておりインプラント自体には異常なしとのことでした。
吉本歯科医院ではまずパノラマレントゲン(全体像)を撮影しお口の中を確認しました。細部の確認も必要であったのでデンタルレントゲン(数本写る大きさ)も追加撮影検査しました。
吉本歯科医院での診断結果は
左上ブリッジを支えている歯の根が破折
でした。
歯根が破折していますので残念ながら抜歯しなければなりません。
さてここが重要な問題なのです。なぜ歯の根が破折してしまったのでしょうか?
歯根破折はほぼ抜歯診断です。
確かにインプラント治療でない患者様でも歯が割れることはあります。しかし,インプラント治療を行った部分の噛み合う歯の相手の歯が早い時期に駄目になるということは多くの文献でも発表されている周知の事実です。
今回であれば左下がインプラントで咬み合わせの相手は左上です。
理由はとても簡単です。強いものと弱いものが戦ったので弱いものが負けたんです。
インプラントそのものは実はとっても丈夫なんです。インプラントは噛めば何でも噛めてしまうのです。
しかしインプラントの噛み合う相手である歯は今まで何十年も頑張ってきたご自身の歯です。ましてや歯を削って神経まで抜いてブリッジ治療にしたとてもとてもひ弱な歯なのです。
つまりこれは大人と子供が相撲の取り組みをしているようなものです。
結果は見えています。子供は簡単に弾き飛ばされてしまいます。インプラントは単なるネジです。自分の歯のように細菌に対する抵抗 力もありません。少ない本数では長期の過大な咬合力に耐えることも出来ません。お口全体のバランスや咬み合わせが非常に大事なのです。他の部分が咬めない状態になると,必ずインプラント部分に咬む力が集中します。
そしてインプラント周囲の骨が耐えられずに溶けてなくなっていきます。
インプラント治療ではちょっとした咬合の調整が命取りになることがあります.
今回のような患者様も今までにも多く来院されています。
インプラント治療は受けたが,メインテナンスを受けていない。インプラントメインテナンスを受けたとしても1年に1回程度。メインテナンスを受けたけれどレントゲンを何年も撮影していないから骨の状態も確認できていない。お越し下さる患者さんのお口の状態を診させて頂き本当にビックリすることが多くあります。
今回の患者様もメインテナンスや保護についてや将来起こりうることに関する 説明はなかったとのことですね。
インプラント部分のかぶせ物が入って,ハイ終わり!ではありません。
今回の患者様の場合
①左下インプラントの咬合力つまり咬む力に耐える強度を持った左上の設計
②ご自身の歯に対する負担を和らげる、特に睡眠時の負担を和らげる為、咬み合わせバランス保護のマウスピース
③定期的メインテナンスによる咬合変化の確認
このようなことが今後も必要になってきます
これらのことを全て考えて、吉本歯科医院でのインプラント治療には患者さまにきっちりご説明させて頂いております。また、逆にこれらのことをご理解いただける患者さまとでないと良い関係を築くことは難しいと私は考えております。
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