記事作成日:2022年7月31日

令和4年4月から施行!育児・介護休業法について

育児・介護と仕事の両立は難しいとされている日本。育児や介護において様々な課題を抱えているのが現状。

しかし、改正された育児・介護休業法が2022年4月から施行されています。

今回は、昨年に改正された育児・介護休業法について解説しましょう。
 

育児・介護休業法とは?



育児・介護休業法とは、正社員や契約社員として働いている人が、出産をして育児のための時間が必要になったり、自分の家族に介護が必要になったりしたときに受けられる法律です。

出産・育児・介護などの人生のライフイベントを両立できるようにし、従業員の離職を防ぎます。

そしてこの度2021年、各々の希望に応じて仕事と育児・介護の両立を目的に「育児・介護休業法」が大幅に改正され、2022年4月から段階的に施行されています。

育児休業の分割取得や夫婦間での交換取得も可能となるため、制度としてはやや複雑化されるとも言えるでしょう。
  

■育児のための支援制度

2022年4月から周知・意向確認義務が始まっています。事業主は妊娠・出産の届け出をした従業員に対して育休の取得を個別に働きかけなくてはなりません。

会社がこの働きかけを怠った場合には、社名の公表がされることもあります。

国が定めた具体的な資格としては以下の通りです。

1.原則、子どもが1歳になるまで付与される育児休業の取得
2.育児のための所定労働時間の短縮などの措置
3.残業などの所定外労働の制限
4.子どもの看護休暇(年5日)
5.原則として子どもが1歳になるまで付与される育児休業給付金の受給


などがあります。

現在では、育児休業制度が一般的に認知されるという取り組みが、社会全体を通じて行われているのです。
 

■介護のための支援制度

社会全体の高齢化に伴い、介護保険制度上の要支援・要介護認定者数は増加しています。今後、団塊世代が70歳代に突入することは確定的であり、介護者もそれに伴い増加する見込み。

家族に介護が必要となった人に、国が定めた具体的な支援制度は以下の通り。

1.93日間の介護休業の取得
2.介護のための短縮勤務等の措置
3.残業などの所定外労働の免除
4.家族の介護を行うための介護休暇(年5日)の取得
5.介護休業給付金の受給


などの資格を得られます。

介護者は企業の中核となる働き盛りの従業員が多く、企業としてもそのような人材の流出は避けたいという声もあるようです。
 
 

令和4年4月~育児・介護休業法、2つの義務化



男女ともに仕事と育児を両立できるよう・仕事と介護を両立できるように2つの義務化が進んできています。厚生労働省より、育児・介護休業法改正ポイントの案内というものが発表されていて、令和4年4月1日から3段階で試行するように言われています。
 

1.雇用環境整備、個別の周知・意向確認の措置の義務化

育児休業を取得しやすい雇用環境の整備がされるのはもちろんのこと、個別の周知・意向確認の措置の義務化が進んでいます。

これは、育児休業とパパ育休の申し出が円滑に行われるようにするためのものであり、事業主が以下のいずれかの措置を講じなければならないとされます。

①育児休業・産後パパ育休に関する研修の実施
②育児休業・産後パパ育休に関する相談体制の整備(相談窓口設置)
③自社の労働者の育児休業・産後パパ育休取得事例の収集・提供
④自社の労働者の労働者へ育児休業・産後パパ育休制度と育児休業取得促進に関する方針の周知


※なお、可能な限り複数の措置を講じることが望ましい
 

2.有期雇用労働者の育児・介護休業取得要件の緩和

有期雇用労働者の育児・介護休業取得要件も緩和されました。

現行では育児休業の場合では、
①引き続き雇用された期間が1年以上の場合
②1歳6月までの間に契約が満了することが明らかでない場合

とされてきました。

しかし、令和4年4月1日~は、①の要件を撤廃し、②のみとなっています。

つまり、無期雇用労働者と同様の取り扱われ、育児休業給付についても同様の資格をもつことができるのです。

参考:https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/000789715.pdf
 

育児・介護休業法の改正ポイント



子育てや介護に関わる従業員がより働きやすい仕組み作りのために、育児・介護休業法は、よりよく改正されています。改正のポイントを見ていきましょう。
 

■企業への措置義務

育児休業をより申請しやすくするための雇用環境の整備、妊娠・出産する予定を申し出た従業員への個別周知・意向確認の設置が義務付けられました。
 

■2022年10月以降~の「出生時育児休業」

出産時育児休業というのは、男性版産休とも言われる制度です。業務と育児休業の調整がしやすいように、現行の育児休業の分割取得・夫婦間での交代取得も可能としています。
 

■施行スケジュール

なお、改正された育児・介護休業法の施行スケジュールは以下の通りです。

2022年4月から
・制度の個別周知・意向確認義務
・雇用環境整備義務
・有期雇用労働者の取得条件緩和

が施行。

2022年10月から
・出生時育児休業制度の創設
・育児休業の分割取得

が施行。

2023年4月から
・育児休業取得率の公表
が施行。
 

男性の育児・介護休業取得の現状



「自分が仕事を休むと大変なことになる」、「同僚達は働いているのに休めない」という古くからの日本社会における勤勉な思想や慣習があることから、育休の取得にも影響があります。

厚生労働省が2020年に実施した「雇用均等基本調査」では、男女別の育児休業取得率が女性は81.6%に対し、男性は12.65%と大きな開きがあるのです。

日本の社会において、まだまだ育休の取得をしづらいというのが、男性育休取得率の低い要因となっています。
 

育児・介護休業取得のメリット



育児・介護休業取得して、得られるメリットを紹介。精神的なものから仕事への意欲に関することまで、そのメリットは様々です。それぞれ紹介しましょう。
 

1.働く人が家族の信頼を得られる

働く人が育児・介護に積極的に協力することにより、家族からの信頼を得られます。いざという時には家庭を優先できるということは、働く人にとっての安心感にもつながるのです。

また、育休を取得することにより、プライベートな時間を確保することができることから自身のあらゆる事柄への視野が広がり、それが結果的に仕事のアイデアにつながるなどプラスの可能性が考えられます。
 

2.働く人のモチベーションが上がる

育児・介護ができないという状況は、働く人のモチベーションに悪影響を及ぼしかねません。

また、育児・介護と仕事の無理な両立により心身が疲弊し、仕事に身が入らなくなることも。

育児・介護休業を積極的に取得できる環境であれば、職場復帰の際に心のつかえが取れて、モチベーションを高めることもできるでしょう。
 

3.様々な助成金制度を活用できる

育児・介護休業の取得を促進するために、国は事業主に対して様々な助成金の制度を用意しています。

助成金を活用できれば、仮に従業員に欠員が出た際にも、代替要員の採用・教育コストに充てられます。

厚生労働省のホームページでは、事業主の方への給付金のご案内というページがあるのでご参考にしてみてください。

厚生労働省ー給付金のご案内
 

育児・介護休業取得の課題



働く人が育児・介護休業を取得をする上では、働き手・事業主のそれぞれに課題があります。
 

1.組織内での働き手の減少

育児・介護などにより人員が大きく減少する可能性もあります。そうなると、残された構成員の負担が増加し、残業などによる長時間労働が強いられることや作業内容の増加につながる可能性も考慮しなければなりません。ここに対する課題は、どの企業にも該当するでしょう。
 

2.復帰した労働者のブランク

育児・介護による休業から復帰した際、休業前と労働環境の変化、仕事のブランクが課題となる場合があります。復帰後に気持ちよく働いてもらうためにも、事業主側は復帰後にどのような役割を与えるか、復帰する1ヶ月前くらいから業務の話し合いを重ねるなどの擦り合わせが必要です。
 

3.価値観の差異による組織における不和

育児・介護に関する価値観は、働き手の全員が同じではありません。これらの価値観の差異が、育児・介護休業を取得する人たちに大きな不満を抱えるケースがあります。このようなフラストレーションが結果的に、組織内での大きな不和につながる可能性も大きな課題といえるでしょう。
 

男女関係なく、働き続けられる環境を整えよう



育児・介護問題と仕事の両立には、やはり制度の利用は不可欠といえます。制度を気兼ねなく利用したり、制度利用者が復帰後も働きやすい体制に整えたりと、互いに寄り添いながらより良い社会を作りましょう。
 

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監修

あなぶきヘルスケア
事業部長  喜田 康生

 

平成17年にプランドゥ穴吹に入社。その後、地域の医療介護検索サイト「病院・介護ナビmilmil」を立ち上げ、サイト営業で多数の病院、クリニック、介護施設などを訪問。現在はあなぶきヘルスケアにて、広告コンサルティングを通じ、ブランディングなど幅広い視点から医療介護業界をサポート。

 

 


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