記事作成日:2022年6月17日

家庭でできる食中毒対策について

気温が高くなると心配になるのが「食中毒」。
重度の食中毒では下痢や嘔吐が続き、最悪の場合は命に関わることも。
今回は食中毒において、家庭でもできる予防策について解説しましょう。

食中毒とは?食中毒予防の三原則



食中毒とは、食材や調理を行う人を介して有毒な細菌やウイルスを体内に取り込み、下痢や腹痛、吐き気などの症状が出る病気です。

細菌による食中毒では、腸管出血性大腸菌(O157、O111など)やカンピロバクター、サルモネラ属菌などが代表的なものとして知られています。ウイルスによる食中毒では、ノロウイルスが有名です。

食中毒にならないために重要なのが「食中毒予防の三原則」。「食中毒予防の三原則」とは、食中毒を避けるために厚生労働省が推奨している具体的な取り組みです。

1つは細菌を食べ物に「付けない」こと、2つ目は食べ物に付着した細菌を「増やさない」こと、3つ目は食べ物や調理器具に付着した細菌を「やっつける」、というもの。それぞれについて以下で詳しく解説します。
 

食中毒予防の三原則①細菌を付けない(清潔・洗浄)

食中毒を引き起こす細菌やウイルスは、調理をする際に人の手指や調理器具、または食材を介して繁殖していきます。このような事態を避けるために、以下のことを意識しましょう。

・ハンドソープや石鹸での手洗いを徹底する
・調理の際には、器具は使用目的に応じて使い分ける
・器具は使用後は十分に消毒、殺菌
・盛り付けの際には、食品に素手で触れない
・下痢、吐き気、発熱の症状がある際には調理作業を控える
 

食中毒予防の三原則②細菌を増やさない(迅速・冷却)

食品に付着した細菌やウイルスは、時間の経過と共に増加するのであって、細菌やウイルスがついてしまったからといって必ずしも食中毒になるとは限りません。

食中毒になるのは、“食中毒を引き起こすだけの量”の細菌やウイルスを体内に取り込んでしまったからなのです。

そのため、迅速に調理を行い、素早く食事をすれば食中毒の感染リスクは下がります。また、低温状態であれば細菌やウイルスの増加を妨ぐことが可能です。食品を冷蔵庫にしまうなどし、細菌やウイルスを増やさないことを意識しましょう。
 

食中毒予防の三原則③細菌をやっつける(加熱・殺菌)

細菌やウイルスによっては、加熱することで死滅させられるものも多くあります。加熱する際は、中心部が75度以上で1分以上を目安に行いましょう。なお、85度以上で90秒以上の加熱処理をすれば、ノロウイルスの細菌を消滅させることができます。生ものの常温保存は避け、可能であれば加熱処理して食事をするように心がけましょう。
 

食中毒になりやすい時期と条件



度々ニュースにもなる“食中毒”。学校や会社、BBQやグルメイベントなどで食事をして食中毒にかかってしまったという類のニュースは、ある時期に増える傾向があります。食事を楽しむためにも、食中毒になりやすい時期と条件を知っておきましょう。
 

食中毒になりやすい時期

食中毒は特に梅雨の時期~夏(6月~8月)にかけて増えます。この時期に多くみられるのがカレーなどに多い“ウェルシュ菌”による食中毒。気温が落ち着いていた春には常温保存できていた食材が、梅雨になると危険な状態になります。季節の変わり目による油断から、食中毒が増加するのです。

また、冬の時期でも安心できません。冬にはウイルス性の食中毒でありノロウイルスが増加傾向にあります。食材や条件が変われば食中毒のリスクも変わるため、食品の管理状態は常に確認しておくようにしましょう。
 

食中毒になりやすい条件

食中毒を引き起こす細菌やウイルスは、室温が約20℃で活発に増殖し始め、そこから40℃ぐらいの間で増殖スピードを上げていきます。

しかし、O157やO111などの場合では、7~8℃ぐらいから増殖し始め、35~40℃で最も活発に増殖します。また細菌は高温多湿を好むため、特に梅雨時には細菌による食中毒被害が増えるのです。
 

家庭でできる!厚生労働省から6つの予防策とは


厚生労働省から、家庭でできる6つの予防策が提唱されています。
 

1.食品の購入について

食品を購入する際、肉、魚、野菜などの生鮮食品に関しては新鮮な物を購入することが重要とされています。特に消費期限や賞味期限の表記は守り、期限内に食べるように心掛けましょう。

消費期限…安全に食べられる期限。
賞味期限…食品の美味しさなどの品質が保れている期限


特に、購入した生鮮食品に関しては、小分けにして使わない分は冷凍保存するなどの工夫をするといいでしょう。そして生鮮食品は買い物の最後に購入し、寄り道をせずに素早く帰り冷蔵庫・冷凍庫に入れることが大切です。
 

2.保存方法について

生鮮食品などの冷蔵、冷凍が必要な食品に関してはすぐに冷蔵庫や冷凍庫に入れてあげましょう。保存温度として冷蔵庫は10度以下、冷凍庫はマイナス15度以下に設定・維持した状態が好ましいです。

ここで注意したいのは、冷蔵は細菌の増殖がゆるやかになる、ということです。冷凍すると増殖は停止しますが、細菌自体が死滅するわけではありません。

生鮮食品は、状態が悪くなる前に適宜使い切ることが重要です。
 

3.下準備について

調理をする際は、以下の点に気を付けましょう。

・台所は消毒し、清潔な状態になっているか
・ゴミは長期間放置せずに、きちんと捨てられているか
・洗剤や手洗い石鹸などを切らしていないか
・タオルやふきんなどの布類は清潔なものか


調理前の基本として、必ず手を洗いましょう。そして、生肉、生魚、卵などを扱った際や、途中で鼻をかんだり、赤ちゃんのおむつを交換した際は改めて手洗いすることも忘れずに。

調理器具である包丁やまな板などは、用途別に使い分けたり、まな板シートを都度交換したりするなどして、清潔な状態で調理しましょう。食中毒を予防するには、調理の際にはこまめに自分の手や調理器具の清潔度を保つことも大切です。
 

4.調理について

加熱調理の必要があるものは十分に加熱をしましょう。仮に食中毒の細菌がいても、中心部の温度が75度で1分以上加熱してあげると食中毒の細菌をやっつけることができます。

注意ポイントとしては、調理を中断した際に食品を放置すると細菌が増殖してしまうことです。細菌が増えやすい食品の調理を中断した際には、必要に応じて食材を一旦冷蔵庫に入れておくように心がけましょう。
 

5.食事について

エチケットマナーではありますが、食事前には必ず手洗いをしましょう。清潔な手で食事を行えば、細菌やウイルスを体内へ運ぶリスクを軽減させられます。

そして、温かいものに関しては常に温かさをキープし、冷めたいものに関しては常に冷たさをキープしてあげることも大切。じっくりと食事に時間をかけ、料理の放置時間が増えれば増えるほど菌や細菌も増殖していきます。特にO157は、室温で食品を放置した場合、15~20分で2倍にも増えると言われています。

可能であれば、温かい料理は65度以上、冷たい料理は10度以下をキープし、その温度間で間食させるのが理想的な食事の仕方です。
 

6.残った食品について

残った食品に関しても、清潔な器具やお皿を使うことが大切。保存容器は洗浄・消毒まで行い、小分けにして保存しましょう。なお、一度口や箸を付けてしまったものなどは、速いスピードで細菌が増殖してしまうため、なるべく早く食べるようにしてください。残しておいても食べないかもしれない、という残りものに関しては、勇気をもって捨てる判断をすることも重要です。

もし、保存した食材を食べる際、少しでも匂いや味がおかしいかもしれない…などと思ったら諦めて捨てるようにしましょう。ここで判断を誤ってしまうと、食中毒へのリスクが高まってしまうため、残りものへの判断は少し厳しめくらいがちょうどいいかもしれません。
 

家庭でもしっかり食中毒対策をしよう



新型コロナウイルス感染症の影響で、ウイルスに対して過敏となっている昨今。人間の健康を脅かす細菌やウイルスに対しては、食中毒以外にも様々な病気を引き起こす可能性があります。

そして、これからの時期に増えるのが食中毒。予防するには食品の鮮度と温度管理、清潔な環境を徹底することが大切です。家庭でもしっかりと食中毒予防の三原則を意識し、健康を第一に毎日を過ごしましょう。
 

監修

あなぶきヘルスケア
事業部長  喜田 康生

 

平成17年にプランドゥ穴吹に入社。その後、地域の医療介護検索サイト「病院・介護ナビmilmil」を立ち上げ、サイト営業で多数の病院、クリニック、介護施設などを訪問。現在はあなぶきヘルスケアにて、広告コンサルティングを通じ、ブランディングなど幅広い視点から医療介護業界をサポート。

 


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