記事作成日:2023年3月26日

2025年問題とは?介護問題で迫りくる危機と備え

2023年に入り、ざわつき始めている「2025年問題」。
2025年には日本の65歳以上の高齢者の人口が全人口の割合の約3割になるとされる社会問題です。
超高齢化社会になることで、介護現場においても深刻な問題が差し迫っています。
今回は、2025年問題について、また介護問題に向けた対策について紹介しましょう。
 

2025年に表面化する介護の問題



2025年、高齢者が増加することにより、下記のような問題が表立っていきます。

・介護難民の増加
・老々介護・認認介護
・介護現場での人材不足

それぞれの問題について解説をしていきます。
 

■介護難民の増加

2025年には、高齢者が増加することにより、介護サービスが必要な人が増加します。

超高齢化社会になると、介護施設不足、介護人材不足が懸念されていているのです。

介護業界は現状の社会でも低賃金な上に人気が低いのが現状。

労働力の担い手である現役世代が就きたがらないことも重なり、介護難民の増加が予想されているのです。
 

■老老介護・認認介護

老老介護では、80代~90代の老人世代をその子どもである60代前後の老人世代が面倒を看るというもの。

深刻なのは、認知症を患っている人が認知症の人の面倒を看るという、認認介護。

近年では、「単独世帯」と「核家族世帯」の割合が上昇していることが影響し、高齢者が“身内に介護をしてもらえる状況にない”世帯が多い傾向にあります。

そのため、老老介護・認認介護の問題は年々深刻化してきているのです。
 

■介護現場での人材不足

現在でもすでに介護職員の人材不足が大きな社会問題になっています。

介護を必要とする高齢者が増え続け、介護を担う若者が減っていくという悪循環になっているのが現状です。

介護業界にネガティブなイメージを持つ若者が多いのも一つの原因。

介護業界の人手不足対策は、今や急務となっています。
 

2025年、介護の問題に向けた対策



現在は2025年の介護問題に向けて、地域システムの見直しや、ロボットを活用した機械化の進行、新たな介護人材確保など、さまざまな対策を講じています。

介護問題に向けた対策について紹介しましょう。
 

■地域包括ケアシステム

地域包括ケアシステムとは、高齢者が住み慣れた地元エリアで自立した生活を送るために、さまざまなサービスが連携して提供される仕組みのことです。

介護のみならず、医療や地域住民一人ひとりまで、さまざまな人達が協力し合って対応していくようになります。

高齢者の診察をする医師、リハビリテーションの協力をする理学療法士の仕事、バリアフリー住宅を建てることなど、高齢者が暮らしやすい仕組み作りが、地域包括ケアシステムなのです。

日本では、地域の包括的な支援・サービス提供体制である「地域包括ケアシステム」の構築を推進しています。
 

■ロボットやICTの活用

現在、ロボットやICTの活用が進められています。

なかでもロボットは、高齢者の身体介助や移動支援、食事や入浴のサポートを行えるほどに進歩しています。

ICTとは、情報通信技術のことを指し、医療や介護サービスにICTを導入することで、業務の効率化が図れます。

たとえば、高齢者にウェアラブルツールを装着してもらうことで、スマートフォンやタブレットなどの情報端末からリアルタイムで高齢者の健康状態を確認できる、などといった使い方ができます。

ICTを利用することで高齢者の情報のデータベース化が可能となり、クラウド利用による業務従事者のデータの共有化も簡単になるため、結果、業務の効率化が測れるということです。
 

■介護人材の確保

介護人材の確保としてはさまざまな施策が考えられています。

・介護人材の教育制度の充実
・介護人材の労働環境の改善
・外国人の労働人材の受入
・介護ロボットの導入
・介護職の処遇改善

介護職は、仕事の大変さに対して社会的評価(報酬)が低いことで、ネガティブなイメージを持たれています。

そのような状況を打開するためにも、政府は2019年10月から始まった増税の使途として、勤続10年以上の介護福祉士に月額平均8万円相当の処遇改善をおこなうことを発表しました。

さまざまな制度を見直しつつ、業務の負担を減らすことが介護業界の課題と言えるでしょう。
 

■仕事と介護の両立支援

仕事と介護の両立支援については、厚生労働省からも推奨されています。

仕事に従事している人にとっては親の介護問題などが深刻です。親の介護のために仕事のスタイルを変更する人もいます。

最近では、リモートワークが可能な会社も増えてきましたが、それでも仕事しながら介護をするのは大変です。

その打開策として、近年では介護のための休暇をとれる企業が増えてきました。

このように、会社側から、仕事と介護を両立させられる支援をすることがひとつの対策となっています。
 

■代行サービスの充実

高齢者などの日常生活上の様々なお手伝いをする代行サービスがあります。

・家事代行
・身体介護代行
・外出介護代行
・緊急時対応代行

炊事・洗濯・掃除などを高齢者の代わりにするサービスや、入浴や排せつの手伝い、車椅子や杖をついている場合の移動の補助、外出が困難な高齢者の補助など‥‥

このような代行サービスを充実させることも、超高齢化社会において必要なこととして進められています。
 

2025年問題に向けて今からできる対策



2025年問題に向けて今からできる対策としては、主には地域包括ケアシステムが挙げられます。

私たち自身が自発的にできることを考え探すことが大切です。

今後は、行政サービスの他にも、NPO・ボランティア・民間企業による協力も必要不可欠です。

また、身近な人と協力し合える状況を作り上げていくなどができると良いでしょう。

今一度、自分の親や身近な人にも声掛けをして、今後の状況を確認しておくと安心です。
 

2025年問題への対策は急務!



2025年問題、今後起こりうる超高齢化社会の現象に対して、国や地域全体で協力し合う環境づくりが大切です。

超高齢化社会は、日本社会が一帯となって乗り越えなければならない大きな試練ともいえます。

これから起こりうる介護問題に備えつつも、みんなで協力し合い暮らしやすい地域社会を築きたいですね。
 

●2025年問題 関連施設●

【高松市】介護老人保健施設 サンライズ屋島

屋島を一望でき、新川からも程近いのどかで恵まれた環境の中で、生活ケア・医療サービス・リハビリテーション等が受けられます。
入居者様の笑顔、ご家族の笑顔をを大切に想い、スタッフ全員が笑顔で、安全と家庭的でやさしさにあふれたサービスを提供。

 

【高松市】すずかけの径

高松市上福岡町にある、サービス付き高齢者向け住宅だけではなく、施設内にデイサービス、ショートステイの事業所を構えた複合施設。
敷地内にはクリニックや調剤薬局、カフェを併設し、小さな街のようなつくりになっているのが魅力です。

 

【さぬき市】サービス付き高齢者向け住宅ハートケアゆかり

高松市内から車で約20分と程近く、自然に囲まれた静かな環境で過ごせるのが魅力。
敷地内にサービス付き高齢者向け住宅、デイサービス、訪問介護事業所、居宅介護支援事業所を併設したトータルケアサービスが受けれます。

 

【丸亀市】特別養護老人ホーム シャローム

丸亀市垂水町にあり、自然豊かで心安らぐ施設。
ご家族の身体的・精神的な負担を軽減するだけではなく、利用される方々の生活の活性化、社会的孤立感の解消に努めています。

 

監修

あなぶきヘルスケア
事業部長  喜田 康生

 

平成17年にプランドゥ穴吹に入社。その後、地域の医療介護検索サイト「病院・介護ナビmilmil」を立ち上げ、サイト営業で多数の病院、クリニック、介護施設などを訪問。現在はあなぶきヘルスケアにて、広告コンサルティングを通じ、ブランディングなど幅広い視点から医療介護業界をサポート。

 

 


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