肩こりがひどいのは病気?症状チェックと対処法・受診の目安を解説
肩こりがひどい状態が続くと、次のような不安を感じる人も多いでしょう。
●この肩こりは病気なのでは?
●マッサージやストレッチで楽になる?
●肩こりから頭痛や吐き気を感じることはある?
肩こりは一般的に、姿勢の乱れや筋肉の疲れなどが原因で起こることがほとんどと考えられています。
しかし、まれに別の病気が関係していることもあるため、症状によっては注意が必要です。
この記事では、肩こりがひどいときにチェックしたいことや、病院を受診する目安、そして自宅できる対処法について、分かりやすく解説します。
少しでも肩の負担を減らし、快適に過ごす生活習慣のヒントを探していきましょう。
※この記事の目的は基本的な健康情報の提供であり、医師の診断や治療に代わるものではありません。気になる症状が続く場合は、必ず病院などの医療機関を受診してください。
肩こりがひどい…病気?知っておきたい主な症状
肩こりがひどい状態になると、さまざまな不調を感じることがあります。
ここでは、頭痛やめまい、吐き気など、肩こりがひどいときに現れやすい代表的な症状を説明します。
頭痛
肩こりがひどくなると、ギューッと頭が締め付けられるような痛みを感じることがあります。
頭全体が重く感じたり、首からこめかみにかけて強い痛みが続いたりする場合もあります。
これらの頭痛は、同じ姿勢での作業や、ストレスによる緊張が続いたときに起こりがちです。
肩こりや頭痛が続くと集中しづらくなり、日常生活がつらく感じてしまうこともあります。
めまい
首や肩の筋肉の緊張が続くと、姿勢のバランスを整える働きに影響する場合があると考えられています。
ふわふわと浮いているような感覚や、体が少し揺れてめまいがするような感覚を持つ場合もあります。
見た目では分かりにくいですが、本人にとってはとてもつらく、不安になる症状です。
吐き気
肩こりがひどいと、吐き気を感じる場合もあると考えられています。
全身の具合が悪くなったように感じ、仕事や家事がつらく感じることもあるかもしれません。
眼の疲れ
首や肩の筋肉が緊張している状態が続くと、眼の周りの疲れを感じやすくなることがあります。
また、パソコンやスマホの画面を長時間見続けることで前かがみになり、さらに首や肩に負担がかかってしまう場合もあります。
しびれ
肩こりがひどいと、腕や手にだるさやしびれを感じることがあります。
筋肉のこわばりが違和感につながる場合があると考えられているためです。
睡眠不足
肩の痛みや違和感が強いと、なかなか寝つけなかったり、夜中に目が覚めてしまったりすることがあります。
睡眠が十分にとれない状態が続くと、体の疲れが回復しにくくなり、さらに肩こりがつらくなる場合もあります。
病院に相談するべき肩こりの症状
一般的な肩こりは、筋肉の疲れや生活習慣が関係していると言われています。
しかし、まれに別の病気が隠れている場合もあります。
次のような症状がある場合は、ただの肩こりと自己判断せず、できるだけ早く医療機関を受診してください。
●経験したことがないような激しい頭痛がある
●ろれつが回らない、しびれや麻痺のような感覚がある
●胸が締め付けられるような痛みがある
●強い痛みがあごや腕に広がる
●めまいや吐き気が続く
また、そこまで緊急ではなくても、以下のような場合も一度病院で診てもらったほうがよいでしょう。
●日常生活に支障がある
●痛みが悪化している
●痛みや凝りが2~4週間以上続く
●腕を上や後ろに動かしにくい
●肩こりのほかに症状がある
「いつものことだから」と我慢しすぎず、整形外科などで相談することをおすすめします。
肩こり重症度チェック!その「凝ってる」はひどい?
よくある肩こりが「疲れによるもの」なのか、それとも「病院で相談した方が良さそう」なのか、自分で判断するのは意外と難しいものです。
まずは、次のチェック項目に当てはまるものがないか確認してみましょう。
【肩こり重症度チェック】
●じっとしていても肩や首が痛い
●夜、痛みや違和感で目が覚めることがある
●手や腕がしびれて、細かい作業がしにくい
●肩だけでなく、胸や背中、腕にも痛みが広がる
●急に眼がかすむ、視界がぼやけることがある
●体がだるく、微熱のような状態が続く
●ストレッチやツボ押しを数日続けても改善しない
これらの項目にいくつも当てはまる場合は、肩こりがひどくなっている可能性があります。
気になるときは、無理をせず整形外科などの医療機関で相談することを検討しましょう。
なお、疲れや生活習慣が原因とされる肩こりは、簡単なセルフケアで楽になる場合もあります。
次の項目では、肩こりがひどいときや頭痛を感じたときに試したい応急ケアをまとめます。
ひどい肩こりや頭痛の応急ケア方法
ひどい肩こりや、肩こりによる頭痛などの症状を感じた時は、ガチガチになった筋肉をリラックスさせることを意識しましょう。
簡単なセルフケアとして、次のような方法があります。
●首や肩を温めて緊張をほぐす
●軽いストレッチで筋肉を動かす
●長時間同じ姿勢で作業を続けない
●パソコンやスマートフォンの使用を控え、眼を休ませる
ただし、強い痛みやしびれ・炎症があるときは、無理に動かさないほうが良いケースもあります。
また、ひどい頭痛の場合では、無理をして温めると悪化してしまうことも考えられます。
気になる場合は「ただのひどい肩こり」と自己判断せず、病院などの医療機関で相談することをおすすめします。
肩こりがひどい・治らない人によくある5つの原因
ひどい肩こりは、生活習慣や体の状態など、いくつかの原因が重なっていることが多いと考えられています。
ここでは、「肩こりがひどい」「治らない」と感じている人に多く見られる5つの原因を解説します。
姿勢の悪さ(スマホ首・猫背)
肩こりの原因として多いとされているのが、スマホ首(ストレートネック)や猫背などに代表される姿勢の崩れです。
デスクワークや同じ姿勢が長時間続くと、前かがみの姿勢になりやすく、首や肩まわりの筋肉が緊張しやすくなると言われています。
人の頭の重さは、およそ4~6kgほど。正しい姿勢であれば骨格で支えられますが、頭が前に傾くほど、首まわりの筋肉にかかる負担が大きくなってしまいます。
眼の疲れ(スマホやパソコン)
眼の疲れは、首や肩に「重だるい」という感覚として伝わることがあると考えられています。
また、眼にはピントを合わせるための小さな筋肉があり、スマホやパソコンの画面を見続けるとこの筋肉が疲れやすくなります。
眼が見えづらくなって姿勢が前かがみになることで、さらに肩こりがひどくなる場合もあります。
運動不足
運動不足も、ひどい肩こりを引き起こす原因の一つと考えられています。
長時間同じ姿勢で過ごす生活が続くと、肩や背中を動かす機会が少なくなります。筋肉の疲れが蓄積し、肩や首のだるさや重さを感じやすくなります。
特に、肩甲骨の周りの筋肉は日常生活で大きく動かす機会が少ないため、同じ姿勢が続くと肩こりにつながりやすいと言われています。
体の冷え・気候の影響
体が冷えると、無意識に肩に力が入ることで筋肉が緊張しやすくなります。その結果、ひどい肩こりや首こりにつながることがあります。
冬の寒さだけでなく、夏のエアコンの冷たい風も肩こりの原因になることがあります。長時間冷房の風が直接肩に当たると、体が冷えて緊張しやすくなるためです。
気温差が大きい時期は、体温を保つために体への負担がかかりやすく、緊張しやすくなることで肩こりを引き起こすこともあるようです。
病気やストレス
筋肉の疲れだけでなく、病気やストレスが肩こりに関係している場合もあります。
例えば、首の内部にトラブルがあると、腕のしびれなどの症状が出ることがあります。また、心臓などの内臓の病気が原因で、肩や背中に痛みを感じている可能性も。
強いストレスが続くと、体が無意識に緊張しやすくなって首や肩のこわばりを感じることもあります。
病院に行くべき?何科?ひどい肩こりの受診の目安
ひどい肩こりがある場合、「病院に行ってもいいのかな」と迷う人も多いようですが、無理に我慢する必要はありません。
受診の目安として考えやすいのは、肩こりによって日常生活に支障が出ているかどうかです。
次のような状態が続く場合は、病院などの医療機関で一度相談してみるとよいでしょう。
●仕事や勉強に集中できない
●肩の痛みで目が覚める
●数日セルフケアをしても改善しない
日本臨床整形外科学会では、肩こりの治療について次のように説明しています。
姿勢や環境などの原因の改善が第一です。肩こりがひどい場合は内服や湿布の処方を行うこともあります。漢方も場合により有効です。牽引や超短波などの器械を用いた治療も効果があります。
引用:一般社団法人 日本臨床整形外科学会丨肩こり
「大きな病気が隠れていないか確認する」という意味でも、気になる症状がある場合は相談することが安心につながります。
【肩こりで受診する時は何科?】
基本的には、首や肩の痛みを診る整形外科を受診することが多いですが、症状によっては別の診療科での診察が必要になる場合もあります。
●首や肩の痛みが強い場合(整形外科)
●頭痛やめまい・しびれがある場合(神経内科)
●胸の痛みや息苦しさがある場合(循環器内科)
●だるさや微熱がある場合(内科)
●強いストレスや眠れない症状がある場合(心療内科・精神科)
迷った場合は、まずは整形外科で相談しましょう。必要に応じて、適切な診療科を案内してもらうことになります。
ひどい肩こりを予防する生活習慣と対処法5つ
肩こりをやわらげるためには、日常生活の習慣を見直すことが大切です。
特別なことをする必要はなく、普段の生活の中でできる対策を取り入れることで、肩や首への負担を減らせる場合があります。
ここでは、ひどい肩こりの対処法になるとされる5つの方法を紹介します。
ストレッチ(肩・首)
首や肩まわりの筋肉をやさしく動かすストレッチは、ひどい肩こりの予防や対処法としておすすめです。
【肩のストレッチ】
両手の指先を肩に軽く乗せ、ひじで大きな円を描くように、前後10回ずつ回します。
参照:理学療法士が教える肩こりに効く1日10分ストレッチ│運動器の健康・日本協会
【首のストレッチ】
正しい姿勢で座り、ゆっくり首を横に倒します。反対側の手で耳の上を軽く抑えながら、頭を斜め前に倒します。
参照:筋肉をもっと知ろう!~筋肉の基本④肩こり・首こり~│日本成人病予防協会
ツボ押し・マッサージ
肩こりのセルフケアとして用いられる代表的なツボには、手三里があります。
【手三里(てさんり)】
肘を曲げたときにできるシワから、手首方向へ指3本ほど下がった場所にあります。肩こりや腕の疲れを感じたときにおすすめのポイントです。
参照:症状からツボ 肩コリ│せんねん灸健康づくりオンライン
ツボ押しの他に、肩周りの筋肉をやさしく自分でほぐすマッサージを取り入れる人も多いようです。
ツボ押しやマッサージは、気持ちよいと感じる程度の力でもみほぐすのがおすすめです。
無理に押さえると体にダメージを与える場合があるため、調子を観察しながらゆっくりと行ってください。
姿勢の見直し
ひどい肩こりを予防するには、普段の姿勢を意識することも大切です。
マッサージなどで一時的に楽になっても、日常の姿勢が崩れていると肩こりを繰り返しやすくなります。
意識したいポイントは次の通りです。
●耳・肩・腰が一直線になる姿勢を意識する
●パソコンやスマホは目線の高さに近づける
●キーボードやマウスは体から離し過ぎない
●足の裏を床につけて安定した姿勢をとる
●30分~1時間に一度は立ち上がって体を動かす
普段の姿勢を整えることが、首や肩の負担を減らすための第一歩です。
体の冷え対策
肩や首をリラックスさせるためには、体を温めることも大切です。
特におすすめなのが入浴です。シャワーだけで済ませず、40℃前後のぬるめのお湯にゆっくり浸かることで、筋肉がリラックスしやすくなります。
冷房の風が直接肩に当たる環境では、次のような工夫も役立ちます。
●ストールを羽織る
●温度や風量を調節する
●ストレッチをして体を動かす
体を冷やさない工夫を日常的に取り入れて、ひどい肩こりを予防しましょう。
ストレスケア
精神的なストレスが続くと、体は無意識のうちに緊張しやすくなると言われています。
首や肩がガチガチの状態が続くと、ひどい肩こりにつながりかねません。
手軽に取り入れやすい方法のひとつが、ゆっくりとした深呼吸です。
●鼻からゆっくり息を吸う
●口から細く長く吐き出す
このような呼吸を数回繰り返すことで、体の力が抜けやすくなるでしょう。
また、睡眠環境も肩こりに影響すると言われています。枕の高さや布団の硬さが合っていない場合は、自分に合ったものを選ぶようにしましょう。
※肩こりの原因やセルフケアについては、以下の記事も参考にしてください。
>>肩こりの原因とは?つらい凝りや張りのセルフケアと予防法
肩こりがひどい時はどうする?よくある質問
肩こりは多くの人が経験する身近な不調ですが、症状がひどくなると日常生活にまで影響が出てきます。
ここでは、肩こりがひどい人によくある質問をまとめます。
肩こりがひどいときは温める?冷やす?
肩こりは筋肉の緊張が関係しているため、温めることで楽になる人が多いとされています。
入浴や蒸しタオル、軽い運動などで温めると、体がリラックスしやすくなるのでおすすめです。
ただし、肩の近くを強くぶつけた直後や、けがや病気で炎症を抱えている場合などは、冷やすほうが良いケースもあります。慌てて判断せず、まずは体の状態を観察してみましょう。
肩こりの対処法で湿布は効果がある?
ドラッグストアで販売されている湿布の中には、パッケージに「肩こり」と表示されている商品があります。
どのタイプが自分に向いているのかわからない時は、薬剤師や登録販売者に相談して選ぶと安心です。
湿布はあくまで症状を落ち着かせるためのものであり、姿勢の改善やストレッチなどのセルフケアと合わせて行うことが大切です。
症状が続く場合は、医療機関の受診も検討してください。
肩こりを予防する日常生活のポイントは?
肩こりを予防するためには、日常生活の中で首や肩への負担を減らすことがポイントです。
例えば、デスクワークの多い人は次のような習慣を取り入れてみましょう。
●30分~1時間に一度は立ち上がって体を動かす
●肩をゆっくり回したり、軽く背伸びをしたりする
●モニター台や姿勢改善クッションを使う
日常生活の中で、無理のない範囲で習慣化していくとよいでしょう。
肩こりがひどいときに整体は効果がある?
肩こりがひどいとき、整体によって症状が「軽くなった」と感じる人もいます。
ただし、肩こりの原因によっては注意が必要な場合もあります。
首や神経にトラブルがある場合、強い刺激の施術が症状の悪化につながる可能性もあるためです。
強い痛みや腕のしびれ、力が入りにくい症状などがある人は、整形外科などの医療機関で相談してください。
ひどい肩こりに使える市販薬はある?
肩こりの症状を和らげる市販薬には、内服薬や塗り薬、湿布などがあり、それぞれ働きや使用方法が異なります。
どんなタイプの薬が合うかは人によって違うため、迷ったときは薬剤師等に相談しながら選ぶと安心です。
肩こりのひどい女性が注意したい症状は?
女性の場合、体のリズムの変化などによって、肩こりや頭痛といった不調を感じやすくなるケースがあると言われています。
●頭痛や吐き気がある
●めまいやふらつきががある
●腕や手にしびれがある
●関節に痛みがある
●毎月のリズムで症状が強くなる
●強いだるさや疲れを感じる
このような症状が続く場合や、いつもと違う不調がある場合は、無理をせず婦人科等の医療機関への相談を検討してください。
まとめ
肩こりがひどいと、「病気では?」と不安に感じる人もいるかもしれません。
肩こりは多くの場合、長時間同じ姿勢を続けることや、運動不足、眼の疲れ、体の冷えといった日常生活の習慣が関係していると考えられています。
一方で、強い頭痛や吐き気、腕や手のしびれ、胸の痛みなどがある場合は、別の病気が関係している可能性もあるため注意が必要です。
こうした症状があるときや、セルフケアを続けても改善しない場合は、医療機関での相談を検討するとよいでしょう。
無理のない範囲で生活習慣を整えながら、つらい肩こりを少しずつ改善していきましょう。
監修
| あなぶきヘルスケア
事業部長 喜田 康生 |
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| 平成17年にプランドゥ穴吹に入社。その後、地域の医療介護検索サイト「病院・介護ナビmilmil」を立ち上げ、サイト営業で多数の病院、クリニック、介護施設などを訪問。
現在はあなぶきヘルスケアにて、広告コンサルティングを通じ、ブランディングなど幅広い視点から医療介護業界をサポート。 |
