打撲で歩けるけど痛い・腫れてないけど足の指が痛む?
よくある症状と受診の目安
机の角に足をぶつけたり、道で転んでしまったりして「打撲で歩けるけど痛い」と悩むことはありませんか。
見た目は腫れていない状態でも、足の指などがズキズキ痛むと不安になりますよね。
「歩けるくらいだし、病院に行くのは大げさかな」と、受診をためらってしまう人も少なくないようです。
よくある手足の打撲であれば、軽い場合は自然と落ち着くことが多いと考えられています。しかし、ケースによっては意外に体の中でダメージが残っていることもあるため注意が必要です。
この記事では、打撲でよくある症状や受診の目安などをわかりやすく解説します。ぜひ参考にしてください。
※この記事の目的は基本的な健康情報の提供であり、医師の診断や治療に代わるものではありません。気になる症状が続く場合は、必ず病院などの医療機関を受診してください。
そもそも打撲とは?よくある症状と骨折・捻挫との違い
ここでは、私たちが日常生活でよく経験する打撲(打ち身)について、その原因やよくある症状、骨折や捻挫といったほかのケガの特徴を解説します。
打撲の原因
打撲、いわゆる「打ち身」と呼ばれるものは、転倒して床に体を打ちつけたり、物と激しく衝突したりすることで起こる身近なケガです。
打撲の原因はさまざまですが、スポーツ中の接触や転倒、家具や段差への衝突、交通事故など、日常生活のさまざまな場面で発生します。
参照:大正健康ナビ│打撲・捻挫(ねんざ)
転んだりぶつかったりした直後は、腫れや青あざが目立たないこともあり「大したことはないだろう」と考えてしまうこともあるでしょう。
しかし、見た目に変化がなくても、衝撃によって体の内部がダメージを受けていることは珍しくありません。
軽い打撲であれば自然に落ち着くことも多いですが、無理をせず症状の経過を見守ることが大切です。
打撲でよくある症状
打撲したときの症状は、ぶつけた場所や強さによってさまざまな特徴があります。
よくみられる症状は、痛みや腫れ、青あざ(内出血)などです。押すと痛みを感じたり、動かしたときに違和感が出たりすることもあります。
● 手足(すねや指など):じっとしていればあまり痛まなくても、力を入れたり、その場所をぐっと引き伸ばしたりしたときに、突っ張るような痛みを感じることがあります。軽い打撲であれば、時間の経過とともに自然に治まることが多いと考えられています。
● 腰:ぶつけた所に痛みや腫れが生じることがあります。体を前後に曲げたりひねったりしたときに、痛みが強くなることも少なくありません。痛みが長く続く場合や、足のしびれ・力の入りにくさなどがある場合は注意が必要です。
● 頭・目・歯・口:たんこぶや出血、青あざなどの変化が現れます。特に、頭を強く打った場合や、吐き気・めまい・意識がぼんやりするなどの症状がある場合は、医療機関を受診することが大切です。
● 胸・お腹:見た目に変化がなくても、押さえたり動かしたりすると痛くなることがあります。内部で大きなダメージを受けている可能性もあるため、痛みが強い、徐々に悪化する、吐き気やめまいを伴うといった場合は、早めに医療機関に相談しましょう。
打撲・骨折・捻挫の違い
ケガをしたとき、それが打撲なのか、それとも他のケガなのかを自分で判断するのは難しいものです。
ここでは、打撲・骨折・捻挫のそれぞれについて、一般的な特徴をまとめます。
【打撲(打ち身)】
転倒して体を打ちつけたり、何かとぶつかったりしたときの衝撃によって起こるケガです。
痛みや腫れ、青あざ(内出血)などがみられ、押したり動かしたりすると痛む場合もあります。症状の程度はさまざまですが、軽い場合は1週間ほどで落ち着くことが多いと考えられています。
【捻挫】
関節に力が加わっておこるケガのうち、骨折や脱臼を除いたもの、つまりX線(レントゲン)で異常がない関節のケガは捻挫という診断になります。
引用:日本整形外科学会│捻挫
関節をひねったり、無理な方向に動かしたりしたことで起こることが多いケガで、足首や手首によくみられます。
安静にしていると気にならなくても、動かすと痛むようなケースもあります。
【骨折】
骨が壊れることを骨折と言います。したがって、ヒビも骨折ですし、骨の一部分が欠けたり、凹んだ場合も骨折です。
引用:日本整形外科学会│骨折
一般的には、強い痛みや腫れ、動かしにくさなどがみられます。体重をかけたり動かしたりすると、痛みが強くなることもあります。
ただし、骨折の程度によっては、打撲や捻挫と似たような症状しか現れないこともあるため注意が必要です。
見た目だけで判断するのは難しい場合があるので、痛みの強さや状態がどのように変わっていくか慎重に観察し、必要に応じて医療機関を受診しましょう。
打撲で「歩けるけど痛い」となりがちなケース
打撲すると、見た目には大きな変化がなくても「歩けるけど痛い」「腫れてないのに痛む」といった状態になることがあります。
ここでは「歩けるけれど痛い」となりがちなよくあるケースについて解説します。
机や段差で足の指を打撲、腫れてないけど痛い
ベッドの脚や机の角、段差などに足の指をぶつけるケースは、日常生活でよくあるケガの一つです。
靴を履かない家の中では、特に足の小指や親指をぶつけやすく、思わずうずくまるほどの痛みを感じることもあります。
時間が経つと痛みが少し落ち着き、歩けるようになることが多いため「腫れていないし大したことはないだろう」と考えがちです。
しかし、足の指には歩くたびに体重がかかるため、床に足をつくたびにズキッとした痛みを感じることがあります。
歩行はできても見た目以上に不便さを感じやすいのが、足の指の打撲の特徴です。
転んで膝を強打、歩けるけど痛い
階段で足を踏み外したり、スポーツで転倒したりして膝を強くぶつけることは珍しくありません。
打撲直後は強い痛みがあっても、歩くこと自体はできる場合が多く「そのうち落ち着くだろう」と考えてしまいがちです。
しかし、膝は歩行だけでなく、立ち上がる、座る、しゃがむといった日常生活のあらゆる動作で使います。
椅子に腰掛けたり、階段の上り下りをしたりするうちに、痛みが強くなる場合があるため注意が必要です。
転倒しておしりを強打、歩けるけど座ると痛い
雨の日に足を滑らせたり、階段でバランスを崩したりして、おしりから転倒してしまうことがあります。
おしりは、ぶつけても大きなケガにはなりにくそうなイメージがありますが、後になって痛みが現れることも少なくありません。
特に、椅子に座るときや立ち上がるとき、寝返りを打つときなど、おしりに体重がかかる動作で痛みを感じるケースが多いようです。
座るたびに痛みが気になり、「腰を痛めてしまったのではないか」「おしりの下の骨に問題があるのではないか」と不安になることもあります。
打撲で「歩けるけど痛い」「腫れてないけど痛む」受診の目安は?
打撲の中には、歩ける状態であったり、腫れがほとんどなかったりするケースもあります。
しかし、見た目に大きな変化がなくても、痛みの程度や経過によっては医療機関で診察を受けたほうがよい場合があります。
特に、頭や胸・お腹をぶつけて以下のような症状がある場合は、速やかに医療機関へ相談してください。
● 耳や鼻、口から液体が出る
● 呼吸が苦しい、顔色が悪い、冷や汗が出る
● けいれんや吐き気、嘔吐、息苦しさがある
● 意識がはっきりしない、手足が動かない
● お腹が異常に硬い
ここからは、手足をぶつけて「歩けるけど痛い」「腫れていないのに痛みが続く」といった場合に、どのような症状を目安に受診を検討すればよいのかを解説します。
打撲?骨折?病院の受診を検討するべき目安
軽い打撲のケースでは、時間の経過とともに痛みが少しずつ落ち着いていくのが一般的と考えられています。
しかし、場合によっては、打撲ではない別のケガが隠れている可能性もあるため注意が必要です。
次のような症状がみられる場合は、整形外科などの医療機関への受診を検討してください。
● 時間が経つにつれて痛みや腫れがひどくなる:数日経っても痛みや腫れが強くなり続ける場合は、体の内部で別の異常が生じている可能性も考えられます。
● 触ったり押したりすると強く痛む:特定の場所に痛みが集中している場合は、骨にひびが入っているなど、打撲ではない別のケガが隠れていることもあります。
● しびれや変形などの症状がある:しびれや手足が動かしにくい、変形がみられるといった症状がみられる場合も、体の中がダメージを受けている可能性があります。
● ほかの気になる症状が出てきた:頭痛や吐き気などの体調の変化がある場合は、速やかに医療機関を受診しましょう。
「歩けるから大丈夫」「腫れていないから落ち着くだろう」と自己判断せず、気になる症状がある場合は整形外科などの医療機関に相談することが大切です。
ぶつけた後もずっと痛い?時間が経過しても気になる場合
打撲による痛みは、ぶつけてから数日間が特に強く、その後は徐々に和らいでいくことが一般的と言われています。
しかし、1週間以上経っても痛みが続くときや、一度落ち着いたように見えた症状がぶり返すようなときは注意が必要です。
見た目の腫れや青あざが消えていても、体の内部で回復に時間がかかっていたり、別のケガが隠れていたりするケースもあります。
「そのうち治るだろう」と自己判断で我慢するのではなく、不安がある場合は一度医療機関で相談してみましょう。
打撲の痛みがあるときに自宅でできるセルフケア
ここでは、打撲したときに自宅でできる基本的な対処法を紹介します。
応急処置の基本
ケガをした直後(48時間程度)は、「RICE(ライス)処置」と呼ばれる基本的な応急処置が役立ちます。
参照:公益財団法人スポーツ安全協会│ RICE処置とは?応急手当ての基本を学ぼう
● 安静(Rest):痛むときは無理に歩き回ったり、足の指先を動かして確かめたりせず、まずは楽な姿勢をとって体を休めます。
● 冷却(Icing):ビニール袋に氷と少しの水を入れて氷水を作り、薄手のタオルや布越しに当てて、15分から20分ほど冷やすのを繰り返します。直接氷を当て続けると皮膚を痛めてしまうため、必ず布をはさんで冷やすようにしましょう。
● 圧迫(Compression):伸縮性のある包帯やテープで適度に軽く巻いて圧迫すると、大きく腫れ上がるのを防ぐことができます。きつく巻きすぎると血の巡りが悪くなってしまうため、指の色を確認しながら力を加減してください。
● 挙上(Elevation):ぶつけた場所を、できるだけ自分の胸よりも高い位置に保つようにします。クッションや座布団などを敷いて高く持ち上げることで、腫れや痛みが強くなるのを和らげることができます。
まずは患部を安静に保ち、無理に動かさないことが応急処置の第一歩です。症状が改善しない場合は、整形外科など医療機関への相談を検討しましょう。
市販の湿布を使用するときの注意点
湿布には冷感タイプや温感タイプがありますが、打撲直後で熱感や腫れがある場合は、一般的に冷感タイプが選ばれることが多いとされています。
ただし、湿布を貼ったからといってケガそのものが治るわけではありません。
長時間貼り続けることで、かぶれやかゆみなどの皮膚トラブルが起こることもあります。
使用する際は製品の説明書をよく確認し、異常を感じた場合は使用を中止しましょう。痛みが強い場合や症状が長引く場合は、医療機関への受診を検討してください。
※湿布については、次の記事も参考にしてください。
>>打撲(打ち身)に湿布は効果ある?早く治すのは可能?注意点とよくある質問
打撲で歩けるけど痛い・腫れてないけど痛むときの過ごし方
歩けているのに痛みがあると「安静にするべきか、それとも普段どおり動いてよいのか」と悩んでしまいがちです。
ここでは「打撲で歩けるけど痛い」「腫れてないけど痛む」というとき、体に余計な負担をかけずに過ごすためのポイントを解説します。
無理に動かさない
打撲をして見た目に大きな変化がない場合、多くの人は「歩けるから問題ないだろう」と考えてしまいがちです。
実際、軽い打撲のほとんどは、時間の経過とともに症状が落ち着いていくことが多いと言われています。
しかし、骨折などのほかのケガが隠れている場合、我慢して無理に動き続けると負担がかかって回復が遅れる原因になる場合があります。
まずは痛みが出る動作をなるべく避け、体の状態を見ながら過ごしましょう。
症状が落ち着いてきたら、無理のない範囲で少しずつ普段の生活に戻していくことも大切です。
回復の程度は人によって異なるため、迷った場合は医療機関に相談してください。
かばう姿勢を続けない
打撲をすると、ケガした部分の痛みを避けるため、無意識にかばった姿勢になりがちです。
痛みのある部分を守ることは大切ですが、長期間にわたって不自然な姿勢や歩き方を続けると、別の所に負担がかかることがあります。
例えば、足を打撲して反対側の足ばかりに体重をかけたり、腰やおしりを打撲して偏った座り方を続けたりすると、足や腰などに痛みや違和感が現れることもあります。
痛みが落ち着いてきたら、できるだけ普段どおりの姿勢や動作を意識し、別の場所にも不調が現れた場合は医療機関への相談を検討してください。
自己判断でマッサージしない
打撲してすぐに揉んだり強く押したりすると、症状が悪化することがあります。
「ほぐしたほうが楽になりそう」と感じるかもしれませんが、ケガをしたばかりの時は、刺激をできるだけ避けることが大切です。
長風呂や飲酒、激しい運動なども控え、症状が落ち着くまでは無理をしないようにしましょう。
打撲で「歩けるけど痛い」「腫れてないけど痛む人」によくある質問
ここでは、打撲で「歩けるけど痛い」「腫れてないけど痛む人」という人によくある質問をまとめます。
「歩けるけど痛い」くらいの症状で受診しても大丈夫?
歩ける状態であっても、受診して問題ありません。痛みが続く場合は、打撲以外のケガが隠れている可能性もあります。
日常生活に支障が出ている場合や不安な症状があるときは、整形外科などの医療機関を受診して状態を確認してもらいましょう。
「歩けるけど痛い」状態を放置するとどうなる?
特に骨折などの別のケガが隠れている場合は、放置すると回復が遅れたり、日常生活への影響が長引いたりする可能性が考えられます。
打撲と骨にひびが入ったときの違いは?
一般的に、打撲は時間の経過とともに痛みが和らいでいくことが多い一方、骨にひびが入った場合は、特定の場所を押したときの強い痛みや、体重をかけたときの痛みが続くことが多いとされています。
症状だけで正確に判断することは難しいため、痛みが強い場合や長引くときは整形外科の受診をおすすめします。
参照:日本整形外科学会│骨折
階段から落ちておしりを強打、座ると痛いときはどうする?
ケガの直後は安静・冷却などの応急処置をして、痛みや腫れの様子を確認することが大切です。
痛みが強い間は硬い椅子を避けるなど、体への負担を減らす工夫をしましょう。
おしりの骨がダメージを受けている場合もあるため、痛みが改善しない場合や日常生活に支障が出ているときは、整形外科の受診を検討してください。
足の指をぶつけた後、紫になったけど歩けるのは大丈夫?
家具などに足の指をぶつけてできる青あざは、打撲ではよくみられる症状の一つで、そのまま歩ける場合も少なくありません。
しかし、痛みや腫れがひどいときや動かしづらい場合などは、単なる打撲ではなく骨がダメージを受けている可能性もあります。
セルフチェックには限界があるため、気になるときは整形外科への受診を検討してください。
打撲は湿布を貼って痛みが軽くなれば心配しなくて良い?
湿布を貼った後に痛みが和らぐと、「もう大丈夫だろう」と安心してしまうかもしれません。
しかし、痛みが軽くなったからといって、必ずしもケガが根本から回復しているとは限りません。
痛みの経過をよく観察し、症状が長引く場合や気になる場合は医療機関へ相談しましょう。
まとめ
打撲をすると「歩けるけど痛い」「腫れていないのに痛む」といった症状がみられることがあります。
特に足の指や膝、おしりなどは、見た目に大きな変化がなくても、歩いたり体重をかけたりしたときに痛みを感じやすい部分です。
多くの打撲は時間の経過とともに改善していくことが多いと考えられていますが、痛みが長引く場合や悪化する場合は注意が必要です。中には骨折など、別のケガが隠れているケースもあります。
ケガの直後はRICE処置を基本に体をいたわり、無理に動かしたりマッサージをしたりすることは避けましょう。
痛みが続く場合や日常生活に支障が出ている場合は、早めに整形外科で相談することをおすすめします。
「歩けるから大丈夫」と自己判断せず、症状の変化をよく観察しながら対処することが大切です。
監修
| あなぶきヘルスケア 事業部長 喜田 康生 |
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| 平成17年にプランドゥ穴吹に入社。その後、地域の医療介護検索サイト「病院・介護ナビmilmil」を立ち上げ、サイト営業で多数の病院、クリニック、介護施設などを訪問。 現在はあなぶきヘルスケアにて、広告コンサルティングを通じ、ブランディングなど幅広い視点から医療介護業界をサポート。 |
