打撲(打ち身)で病院に行くべきかの目安は?何科に行く?
自宅でできる応急処置
打撲(打ち身)をして、「病院に行くべきか分からない」「何科を受診すればいいのだろう」と迷っている人は多いのではないでしょうか。
手足の打撲は多くの場合、時間とともに落ち着くのが一般的と言われています。
しかし、次のような症状が気になるときは、整形外科を受診することをおすすめします。
● 痛みや腫れが時間とともにひどくなる
● 触ったり体重をかけたりすると強く痛む
● しびれや変形などの症状がある
また、頭や胸、お腹を強く打った場合は、その後の体調にも注意が必要です。次のような症状があるときは、速やかに医療機関を受診してください。
● 耳や鼻から液体が出る
● 意識・呼吸・顔色がおかしい
●吐き気や冷や汗がある
● 手足が動かない、けいれんがある
● お腹が異常に硬く張っている
この記事では、打撲のよくある症状や病院へ行くべきかの目安、受診までにできる応急処置などを分かりやすく解説します。参考にしてください。
※本記事の目的は基本的な健康情報の提供であり、医師の診断や治療に代わるものではありません。気になる症状が続く場合は、必ず病院などの医療機関を受診してください。
打撲のよくある症状│痛みや内出血はいつまで?
打撲をすると、痛みや腫れが現れるだけでなく、ぶつけた所の色が変わったり、触ると硬いしこりのようなものを感じたりすることがあります。
ぶつけた所が青紫色や黄色っぽく変わるのは、ぶつけた際に体の内部で起きた変化が表面に現れているためです。
また、腫れやしこりのようなものが感じられるのは、傷ついた部分を守ろうとする体の働きによって、一時的に変化が起こっているからだと考えられています。
打撲の痛みや腫れ、内出血がいつまで続くかは、ケガの度合いや人によって違いがあります。
軽い場合は一週間、多くは数週間ほどすると落ち着くのが一般的と考えられています。
気になるときは自己判断で放置するのではなく、整形外科などの医療機関で診てもらうことをおすすめします。
打撲のよくある症状は、次の記事も参考にしてください。
>>打撲で歩けるけど痛い・腫れてないけど足の指が痛む?よくある症状と受診の目安
救急受診!打撲で病院に今すぐ行くべきケース
軽い打撲であれば、時間とともに自然に落ち着くのが一般的といわれています。
しかし、頭や胸、お腹を強く打った場合は、命に関わるケガが隠れていることもあるため注意が必要です。
「普段と様子が違う」「症状が急に悪化している」と感じた場合は、夜間・休日であっても救急外来を受診するか、救急車の要請を検討してください。
頭・胸・お腹の打撲は特に注意
頭や胸、お腹を強く打ったときは、見た目に大きな傷がなくても、体の中で大きなダメージを受けている可能性があります。
頭を打撲した後に次のような症状がある場合は、すぐに医療機関を受診してください。
● 耳や鼻から液体が出る
● 意識がはっきりしない
● 吐き気がある、実際に吐く(嘔吐)
● 強い頭痛が続く
● 手足に力が入りにくい
また、胸やお腹を強く打って次のような症状がある場合も、すぐに医療機関を受診してください。
● 顔色が悪い、冷や汗が出る
● 息苦しさがある
● お腹が異常に硬い
● 強い胸の痛みが続く
打撲した直後は「大したことないから大丈夫」と感じていても、数時間が経ってから急に状態が変化することもあります。
頭・胸・お腹を強く打撲したときは、経過をよく観察し、異変を感じたらすぐに病院を受診しましょう。
参照:彦根市│打撲や骨折
救急受診までの初期対応
病院などの医療機関へ向かうまでは、できるだけ安静に過ごすことが大切です。打撲した所を無理に動かすと、ケガが悪化してしまうおそれがあります。
ネクタイやベルトなど体を締め付けるものは緩め、楽な姿勢で安静にしておきましょう。
特に、頭や首を強く打った可能性がある場合は、むやみに動かさないように注意してください。
吐き気や嘔吐がある場合は、吐いたものが喉に詰まらないよう、体ごと横向きにして寝かせます。
意識がない、呼びかけに反応しない、呼吸の様子がおかしいという場合は、速やかに119番通報し、救急隊の指示に従って落ち着いて行動してください。
打撲で病院に行く前に準備すること
病院でスムーズに診察を受けるためには、打撲したときの状況や症状の変化を、あらかじめメモなどに整理しておくと役立ちます。
● いつ、どこで、どのようにぶつけたのか
● 痛みや腫れ、変色がいつから現れたのか
● ケガをしてから状態に変化はあるか
受診するときは、脱ぎ着しやすいゆったりとした衣類を選んでおくと、打撲した所を確認しやすいので検査や診察がスムーズに進みます。
強い痛みがある場合や歩くことが難しい場合は、無理をせず、タクシーを利用するなど安全に受診できる方法を選びましょう。
打撲で病院に行くべきか迷ったときの目安
救急車を呼ぶほどではないけれど、打撲して病院に行くべきか迷うこともあるでしょう。
ここでは、ぶつけた所ごとに、整形外科などの病院を受診するべき目安を解説します。
すね・太もも・足の指などの足まわり
すね・太もも・足の指の軽い打撲であれば、痛みは徐々に和らぎ、数日で歩きやすくなることがほとんどと言われています。
しかし、次のような症状がある場合は、体の内部が深く傷ついて打撲以外のケガが隠れている可能性があります。
自己判断で様子を見続けず、早めに整形外科を受診しましょう。
● 体重をかけられない、歩くのが難しい
● 足の指の形が変わっている
● 体の内部で強い痛みが続く
● 腫れや変色が時間とともに広がっている
足は日常生活で負担がかかりやすい所です。無理に歩いたり運動を続けたりせず、早めに状態を確認してもらうことが大切です。
腕・手首・肘などの腕まわり
腕・手首・肘などの打撲で次のような症状があるときは、早めに整形外科を受診しましょう。
● 腕を自分の力で持ち上げられない
● 手首や肘を少し動かしただけでも強い痛みがある
● 指先にしびれがある、感覚が鈍くなっている
● 物を握ったり、持ち上げたりすることが難しい
これらの症状がある場合は、打撲だけでなく、体の内部が大きくダメージを受けている可能性があります。
指先の冷たさやしびれが続く場合も、腕の状態を詳しく調べる必要があるため、早めに整形外科で状態を確認してもらうことが大切です。
頭・首・顔
頭や首、顔を強く打ったときは、見た目に大きな傷や腫れがなくても特に注意が必要です。
最初は救急車を呼ぶほどではなくても、時間の経過とともに深刻な症状が現れることもあるため、体調の変化をよく観察することが大切です。
前述した救急受診が必要なケースのほか、次のような症状がある場合は、早めに医療機関を受診してください。
● ぶつけた記憶があいまい
● 首の痛みが強く、動きづらい
● めまいや耳鳴りが続く
頭や首への衝撃は、見た目に大きな変化がなくても内部で大きなダメージを受けている可能性があります。
気になる症状があるときは、脳神経外科などの医療機関を受診してください。
お腹・胸
お腹や胸を強く打ったときも、ぶつけた衝撃によって体の中が大きく傷ついているケースがあるため、状態の変化をよく観察することが大切です。
前述した救急受診が必要なケースのほか、次のような症状がある場合は、早めに医療機関を受診してください。
● 強い痛みが続く
● 尿が赤みを帯びている
● 時間が経つにつれて顔色が悪くなる
ぶつけた直後に症状が軽くても、後から体調が変化することがあるため、体調をみながら無理をせず経過を観察するようにしましょう。
打撲は何科?整形外科や脳神経外科で調べること
打撲で病院を受診するとき、「何科を受診すればよいのだろう」と迷う人も多いでしょう。
打撲の診療科は、ぶつけた所や症状によって異なります。
手足、肩、腰などを打撲したときは、整形外科を受診するのが基本です。
一方、頭や胸、お腹を強く打ち、頭痛や吐き気、呼吸の異常などの症状がある場合は、脳神経外科や救急外来の受診が必要になることもあります。
何科を受診するべきか判断に迷ったときは、かかりつけのクリニックや近くの医療機関に相談し、適切な診療科を案内してもらうと安心です。
打撲で整形外科を受診するべきケース
足や腕、肩、腰、背中などを打撲したとき、診療科は整形外科を選択するのが基本です。
整形外科は運動器の疾患を扱う診療科です。スポーツ傷害や交通外傷、労働災害などによる外傷のほとんどは整形外科の疾患です。
切創、挫創などのケガ、打撲、捻挫、骨折、脱臼、関節損傷、脊髄損傷、開放骨折、切断指・肢などは、整形外科が扱います。
引用:日本整形外科学会│整形外科と外傷
整形外科では、症状やケガの状況を問診や診察で確認したうえで、必要に応じてレントゲン検査などを行い、骨などに異常がないかを調べます。
症状に応じた薬や湿布の処方があり、日常生活での過ごし方についてもアドバイスを受けられます。
痛みが強い、腫れがなかなか引かない、関節を動かせないといった場合は、自己判断で放置せず、整形外科の受診を検討しましょう。
脳神経外科に行くべきケース
頭を強く打った場合や、頭を打った後に気になる症状が現れた場合は、脳神経外科を受診してください。
脳神経外科では、打撲したときの状況や症状を確認し、必要に応じてCTやMRIなどの検査を行い、頭の内部に異常がないかを調べます。
頭のケガは、ぶつけた直後には症状がなくても、時間がたってから症状が現れることがあります。
特に、吐き気や嘔吐、強い頭痛、めまい、強い眠気、意識がはっきりしないなどの症状がある場合は注意が必要です。
速やかに脳神経外科を受診するか、場合によっては救急外来の受診も検討しましょう。
打撲の痛みはいつまで?受診から回復までの一般的な流れ
打撲の痛みが続く期間は、ケガの程度やぶつけた所によって異なります。
軽い打撲であれば、数日から1週間ほどで痛みが和らいでいくことが一般的と言われています。
参照:大正健康ナビ│打撲・捻挫(ねんざ)
しかし、腫れやしこり、違和感などが完全に落ち着くまでには、さらに時間がかかるケースもあります。
医療機関では、まずは症状やケガの状況を確認し、必要に応じてレントゲンや超音波、CT、MRIなどの検査などを行い、体の内部に異常がないかを調べます。
打撲と診断された場合は、必要に応じて湿布や痛み止めなどが処方されるほか、症状によってはサポーターや包帯などでぶつけた周囲を保護することもあります。
関節の動かしにくさ等がみられる場合は、リハビリテーションが行われることもあります。
ぶつけた所を安静に保つ方法や、日常生活での注意点について説明を受けることもできます。
打撲で病院に行くまでに自分でできる応急処置
打撲をした直後は、その後の症状をできるだけ悪化させないためにも、適切な応急処置を行うことが大切です。
病院を受診するまでの間や、自宅で様子を見る場合は、患部を安静にしながら状態をよく観察しましょう。
打撲直後の応急処置(RICE)と正しく行うコツ
打撲をした直後は、「RICE(ライス)」と呼ばれる応急処置が基本の一つとされています。
● R(安静・Rest): ぶつけた所を無理に動かさず、静かに休ませます。
● I(冷却・Ice): 氷水を袋に入れてタオルに包み、ぶつけた所を冷やします。1回15分から20分程度、感覚が少し鈍くなるくらいまで冷やし、時間を空けて数回繰り返すのがコツです。
● C(圧迫・Compression): 腫れが広がるのを防ぐため、弾力のある包帯などを軽く巻いて適度に圧迫します。きつく締め付けすぎないように注意してください。
● E(挙上・Elevation): ぶつけた所を、クッションなどを使って自分の心臓よりも高い位置に持ち上げます。ズキズキとした痛みや腫れをケアします。
市販の湿布を使うときの注意点
市販の湿布は、大きく分けて冷感タイプと温感タイプがあります。
ぶつけた直後の数日間は、熱を持って腫れていることが多く、「冷感タイプ(冷たく感じる湿布)」を選ぶのが一般的です。
しかし、冷感湿布は体を直接冷やすものではなく、あくまでも冷たく感じる成分によってスーッとした感覚が得られるものです。
中には痛みに働きかける成分を含む湿布もありますが、しっかり冷やしたい場合は、湿布ではなくタオルで包んだ氷のう等をあてて冷却しましょう。
また、肌が弱い人は、湿布によってかぶれやかゆみが生じることがあります。
赤みやかゆみなどの異常が現れた場合は使用を中止し、症状が改善しない場合は医療機関や薬剤師に相談してください。
湿布は一時的に痛みをケアするためのものであり、打撲そのものを根本から治すものではありません。
湿布を貼ったからといって安心せず、患部を無理に動かさず、症状に応じた応急処置を続けることが大切です。
※湿布については、次の記事も参考にしてください。
>>打撲(打ち身)に湿布は効果ある?早く治すのは可能?注意点とよくある質問
打撲でやってはいけないセルフケア
打撲をした直後は、症状を悪化させないためにも避けたい行動があります。特に、次のようなセルフケアは控えましょう。
● 入浴で体を温める:打撲した直後は、長時間の入浴やサウナなどで体を温めると、腫れや痛みが強くなることがあります。痛みや熱さを感じる間は、シャワーで済ませるのがおすすめです。
● 患部を強く揉んだりマッサージしたりする:ぶつけた直後に強く刺激すると、痛みや腫れが強くなる場合があります。
● 飲酒をする:アルコールが原因で、ケガをした所の腫れや痛みが強くなることがあります。症状が落ち着くまでは、できるだけ控えることをおすすめします。
打撲した直後は無理に動かさず、安静を心がけることが大切です。
打撲で病院に行くべきか?よくある質問
打撲をしたときは「この程度で病院へ行くべきか迷う」「様子を見ても大丈夫?」と迷うこともあるでしょう。
ここでは、打撲に関してよく寄せられる質問とその回答をまとめます。
打撲で病院に行く目安は?
打撲をした後、手足の痛みが強くて歩けない・動かせない場合や、ぶつけた所が明らかに変形している場合、腫れや痛みが時間とともに強くなる場合は、早めに整形外科を受診しましょう。
頭・胸・お腹を強く打った場合は、救急外来の受診が必要となるケースもあります。しびれや吐き気、意識がぼんやりする、息苦しさなどの症状があるときは、自己判断で様子を見ず、速やかに病院を受診してください。
打撲だと思ったら別のケガだったということはある?
打撲だと思っていても、検査の結果、骨折や捻挫などのケガが見つかることがあります。
痛みがなかなか改善しない場合や、手足の動きが不安定な場合は、整形外科などの医療機関を受診しましょう。
打撲と骨折の見分け方は?
打撲と骨折は別の種類のケガですが、共通した症状が見られるケースもあるため、簡単に自己判断できるものではありません。
一般的には、骨折は強い痛みが続き、動かせなくなったり見た目が変わったりすることが多いとされています。
参照:日本整形外科学会│骨折
膝や肩の打撲は病院に行くべきか?
膝や肩をぶつけたときは、痛みや腫れだけでなく、普段どおり動くかどうかにも注意しましょう。
「うまく伸びきらない、曲がらない」「ガクガクして力が入らない」という場合は、ただの打撲ではなく、内部で大きなダメージを受けている可能性があります。
動きが改善しない場合や、痛みや腫れがひどいときは、整形外科の受診をおすすめします。
打撲でしこりを押すと痛いのは病院に行くべきか?
打撲をした後は、ぶつけた所にしこりのようなものができ、押すと痛みを感じることがあります。
これは、ぶつけた所の腫れや体の中の変化によるもので、多くは時間の経過とともに落ち着くことが多いと考えられています。
しかし、数週間たっても改善しない場合や、腫れ・しこりが大きくなる場合、赤みや熱感がある場合などは、打撲ではないケガや病気が隠れている可能性もあります。
気になる症状が続くときや日常生活に支障がある場合は、整形外科を受診するか、かかりつけの内科等を受診すると安心です。
打撲で子どもや高齢者が病院に行くべきか迷うときは?
子どもや高齢者が打撲をしたときは、痛みや違和感をうまく言葉で伝えられないことがあるため、よく様子を観察することが大切です。
いつもより元気がない、痛がって患部を触らせない、手足を動かしたがらないといった様子が見られる場合は、整形外科や小児科の受診をおすすめします。
頭を打った場合は、まれに数週間から数か月後に症状が現れることもあるため、体調の変化に注意が必要です。
まとめ
打撲は比較的よくあるケガですが、症状によっては打撲ではない骨折などのケガが隠れていることもあります。
歩けないほど痛みが強い場合や、頭・胸・お腹を強く打った場合、腫れや痛みが時間とともに強くなる場合は、自己判断で様子を見続けず、早めに医療機関を受診しましょう。
また、打撲をした直後は安静にし、必要に応じて冷やすなどの応急処置を行うことが大切です。
症状の変化をよく観察し、気になる症状が続く場合は医師に相談してください。
監修
| あなぶきヘルスケア 事業部長 喜田 康生 |
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| 平成17年にプランドゥ穴吹に入社。その後、地域の医療介護検索サイト「病院・介護ナビmilmil」を立ち上げ、サイト営業で多数の病院、クリニック、介護施設などを訪問。 現在はあなぶきヘルスケアにて、広告コンサルティングを通じ、ブランディングなど幅広い視点から医療介護業界をサポート。 |
